Ep 118 ☆お昼ごはんは自由☆
「購買部で、パン買ってきた~♪」
「え~、いいなぁ~。先輩たちいなかったの?」
「ちょうど空いてたの~」
お昼休みになると、購買部が開く。
パンがずらりと並んで、にぎやかな声が広がる。
購買部の横には、いつでも買えるパック飲料の自動販売機まである。
ーー高校のお昼は自由だった。
持参したお弁当でもいいし、
購買部でパンを買ってもいい。
選ぶことができるーーそれだけで、なんだか嬉しかった。
体が小さくて、食も細かった私は、給食の時間が苦手だった。
牛乳ビン1本と、みんなと同じ量の給食。
どうしても時間内に食べきれなくて、机を後ろに下げられ
みんなが掃除を始める中、ひとりで食べ続けていた、まるで拷問みたいな小学の給食の時間。
それに比べて、高校のお昼は天国だった。
ーーある夜。
夕食の席で、いつも無口な兄がほろりと言った。
「弁当のおかず、増えたよな。チッチが弁当持つようになってから」
…なんで?
「前はさ、鮭一切れだとか、梅干しだけとか、そんなだったからな」
「え~!!そうだったのぉーー!?」
私が驚いていると、
「お兄ちゃんは何も言わないけど、チッチは″あれ入れて、これ入れて″ってうるさいから」
と、母は笑っていた。
……いやいや、梅干し1個とか鮭一匹とか…それはないでしょ~
