Ep 101 ☆不夜城の出現☆
「コンビニエンスストアができるらしい!」
今の言葉で言うなら、まさに『激アツ』。
それは、私たちの町にとってひっくり返るような大ニュースだった。
この頃、体育館やホームセンター、スーパーといった大型施設が次々と建設され、町は急速にその姿を変えようとしていた。
そんな中で現れた「朝7時から夜11時まで」営業するお店の存在は、小さな町にとっては事件そのもの。
なにしろ、わが家の消灯時間は夜9時。
大人が寝静まる時間までお店が開いているなんて、まるでお城ができるような騒ぎだった。
いざオープンすると、そこは魔法の国だった。
見たこともない食品、ズラリと並ぶ最新の雑誌。
中でも町中の人々を虜にしたのは、大きな機械(ディスペンサー)で作られるジュースやフローズンだった。
お祭りの日でもないのに、ストロー付きのカップを片手で町を歩く。
そんな「画期的なスタイル」に誰もが夢中になった。
コンビニができてからというもの、そこは学校帰りに必ず立ち寄る町の新しい中心地になった。
けれど、あまりにも眩しい光に目を奪われていた私たちは、気づいていなかった。
あんなに毎日通っていた駄菓子屋が、いつの間にか静かに、その役目を終えて消えていっていたことにーー。
