2025年11月7日衆院予算委の高市総理大臣の答弁が大問題になった。「(台湾有事について)戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば存立危機事態になりうる」という発言だ。

考えても存立危機事態になり得る

 

絶対言っちゃダメなやつだろ

国会で立憲民主党の岡田議員の台湾有事に関し「台湾とフィリピンの間の海峡が封鎖された場合存立危機事態になるか」という質問に対して高市総理大臣は「民間の船を並べて通りにくくするといったことは当たらないと思うが 戦争という状況の中では別の見方ができる」と答え、さらに「台湾を完全に中国政府の支配下に置くためにどの手段を使うか戦艦を使い武力行使を伴えばどう考えても存立危機事態になり得るケース」という答弁が問題になった。

絶対言っちゃダメなやつだろ

 

「絶対言っちゃダメなやつだろ。具体的に言及するって…」と絶句した閣僚経験者もいたらしい。また「いかなる事態で どういう対応を計画しているか他国に知られて良いことはない」(防衛省関係者)という防衛上の機密性という観点でも問題だという。

 

存立危機事態とは

存立危機事態とは「密接な関係のある他国が攻撃を受けた結果、日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義されている。

 

台湾有事で想定される事態は3つあり、存立危機事態より緊迫度が低い場合を「重要影響事態」、日本が攻撃を受ける事態など緊迫度が高い場合を「武力攻撃事態」という。

 

日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」は、「個別的自衛権」による武力行使が可能となる。日本が直接攻撃を受けていない場合でも、「集団的自衛権」による武力行使が可能となったのが存立危機事態。ただし、それが行使できる事態については憲法9条に従い、極めて限定した形に規定されている(河野元統合幕僚長)。

事態認定と自衛隊の行動

高市総理は、台湾有事の際、台湾とフィリピンの間のバシー海峡で「『海上封鎖』が発生し中国が武力行使した場合は『存立危機事態』になりうる」と答弁した。

 

しかし、台湾に紛争が発生したとき日本が単独で関与することは基本的にありえないという。アメリカが介入するのが前提で、アメリカがやられて次は日本に危機が迫ってくるようなギリギリの状況での存立危機事態が発動される(河野元統合幕僚長)という。

 

☞ 緊張続く日中関係...「存立危機事態」で自衛隊はどう動く?

 

制約の大きい「存立危機事態」より緊迫度が低い「重要影響事態」があり、米軍に対して後方支援に限定した活動ができるというフェーズだ。緊迫度が高まると「存立危機事態」として武力行使ができるフェーズになるが、その幅が非常に幅が狭くなる(河野元統合幕僚長)という。

 

高市答弁の「どう考えても存立危機事態になり得る」という状況は「どう考えても存立危機事態になり得ない」のである。ひどい間違い発言で中国を激怒させてしまった責任は重い。

 

集団的自衛権の行使

集団的自衛権とは、自国が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある他国が武力攻撃された際に共同で反撃できる権利のことで、2014年第2次安倍改造内閣の閣議決定で憲法解釈の変更がされた。この集団的自衛権も「個別的自衛権(自国への攻撃排除)を超え、他国のために武力行使することになるため、憲法が許容する範囲を超える」などと強く反対された経緯がある。

 

存立危機事態において「集団的自衛権」による武力行使が可能となるが「密接な関係のある他国が攻撃を受け〜」という中の他国」とはアメリカ(米軍)ということになる。台湾が攻撃を受けても日本が集団的自衛権で武力行使ができるわけではない。ここらへんがごちゃ混ぜで理解されているのではないだろうか?

 

もし、台湾有事が起き、アメリカが台湾を守るために米軍が戦闘を始めた場合で、日本の存立が脅かされる場合に「集団的自衛権の行使」が認められるが、かなり限定的なシチュエーションだ。

存立危機事態-3a

 

不備だらけの高市答弁

台湾有事の際、台湾とフィリピンの間の「バシー海峡」を海上封鎖などで船舶通行を止められ、武力攻撃を受ける事態で存立危機事態になると思っているらしい。これは、中国が戦艦(兵器)を使い台湾への武力行使を行えば、他国(米軍など)への武力攻撃を伴わなくても日本が単独で「集団的自衛権の行使」を発動する、という理解ができる。しかし、台湾を米軍が守らなくて日本が独自に守るようなことはありえないのだ。

 

有事の自衛隊は「シビリアン・コントロール(文民統制)」という政治の指揮に基づいてで動く組織である。自衛隊の最高指揮官である総理大臣が有事において武力行使するかどうかの判断をするのだが…あまりにも独自の見解を主張される人が判断するのはどうだろうか…日本の進路を誤らないか心配なところだ。

 

総理の独断専行発言

国会の質問内容は事前に通知される。高市総理は質問内容が分かっていたのに不備だらけの答弁をなぜしたのか?「中国が戦艦を使い台湾への武力行使を行えば〜」と答弁しているが、防衛省が現代戦に関する説明では「戦艦」という用語を使うことはないらしい。このような点から、総理の発言は防衛省が用意した答弁書ではなく持論だけで答弁したのだろうとの見方がある。

 

なお「立憲民主党の岡田議員がしつこく質問したのが悪い」という言い方で、ある特定層が「野党の責任論」を展開を試みたらしい。これについても前述のように事前に質問内容が分かっていれば、過去の経緯を踏まえて適切かつ穏当な答弁が用意できるはずである。それをあえて無視し、過去の経緯をぶち壊し過激で不適切で不備だらけの答弁によって無意味な摩擦を引き起こしたのは高市総理自身の責任である。

 

「存立危機事態」発言に中国ブチ切れ

中国は猛反発

 

中国外務省林剣副報道局長:「台湾を中国領土から分裂させようとし台湾海峡情勢に武力介入を図る誤った危険な言論に対するものだ」「(高市総理の発言は)中国への内政に横暴に干渉するもので性質と影響は極めて悪質だ」

「日本の指導者が公然と武力による台湾海峡介入の可能性を示唆し中国の内政に横暴に干渉した」

などと中国は日本側に誤った道を突き進むことをやめるよう強く促すなど猛反発した。

 

発言を撤回する気はない

前述のように、不備だらけの答弁で誤解されたら不都合なことになる。2025年11月10日の衆院予算委において、立憲民主党の大串博志衆議院議員が「これが事態認定されれば防衛出動です。すなわち日本の国として戦争に入るということ。撤回・取り消しはしないのですか?」と発言の撤回を求めた。

発言の撤回・取り消しは?

 

高市総理大臣は「従来としての政府の立場を変えるものではございません。実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府がすべての情報を総合的に判断するとも繰り返し答弁をいたしております」と最悪の事態も想定した答弁だとした。

従来の政府の立場を変えない

 

しかし、高市答弁が日本国政府の従来からの見解よりさらに踏み込んでいるのは明らかだ。中国の猛反発を招いた発言でも撤回する気はないらしい。

歴代総理は明言を避けてきた

歴代総理は台湾有事が存立危機事態にあたるか明言を避けてきた。これは日中国交正常化や日米安保条約のしがらみがあるうえ、手の内を明かさないことが抑止力のために必要なことだという。軍事オタクと評判の石破茂前総理に言わせると「抑止力を高めるために何ができますかってことを全部言っちゃったら抑止力にもならない」だそうだ。

 

心配した野党から撤回・取り消しのチャンスを与えられてもツッパリ通した訳だ。自分の過ちを素直に認めず、行き着くところまで行くつもりなんだろうか?

 

 日中関係悪化の責任は?

11月26日の党首討論で、立憲民主党野田代表が「事前に政府内や自民党内で調整をした上での発言ではなかったと思う。独断専行だったのではないか?」と問いかけた。高市総理は「今後 やはり対話を通じてより包括的な良い関係を作っていく。そして国益を最大化するこれが私の責任だと感じています」と答弁した。

国益を最大化するこれが私の責任だ

 

ブチ切れた中国と対話で修復する考えってお花畑すぎるだろう。高市総理が在任中は対話で関係が修復できる見通しはないのじゃないか?

野田代表:

「(総理大臣は)自衛隊の最高指揮官だから言ってはならないこともあるだろう。持論をうっかり発言することは軽率なことになると思う」

高市総理:

「私も具体的なことに言及したいとは思いませんでしたけれどもですから政府のこれまでの答弁をもう一度もう一度と繰り返すだけでは場合によっては予算委員会を止められてしまう可能性もあると。国会議員の皆様は全国民の代表です」「具体的な事例を挙げて聞かれましたのでその範囲で私は誠実にお答えをしたつもり」

と答えた。

私は誠実にお答えをしたつもり

 

あらあら。「歴代政権との一貫性を堅持する答弁をすると予算委員会を止められてしまう」などと野党に責任転嫁しましたぞ。これには政治ジャーナリストや野党から

「歯切れが悪く逃げている印象」

「ただその理由であれだけの発言をしたのか」

「『そんな理由か』ということと立憲への責任転嫁にも聞こえる」

などと総理答弁に疑問の声が上がった。

 

まあ、半世紀も前から引き継がれてきた“大人の事情”を知らなかったことをを隠すため、むりやり理由をつけた印象だ。

 

 日中関係の悪化で国益を損なう

高市総理の存立危機発言で中国は強硬な態度に出た。中国の出方は2021年の尖閣諸島の国有化の時に分かっているはずだ。この時は中国各地で反日デモが多発し、中国政府が反日デモに理解を示したことから過激化して、日本企業への破壊活動が繰り返された。また、日本への団体旅行のキャンセルや日本車などの不買運動が始まったが、中国政府がそれらを事実上容認したためより不買運動が広がった。

 

2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件の時は、東シナ海のガス田の共同開発交渉延期、旅行業者への訪日旅行自粛の要請、レアアースの日本への事実上の禁輸、中国で日本人会社員4人が拘束されるなどがあった。日中間でもめ事が起きると中国が一方的な対抗措置を取るのが通例だったわけだ。

 

今回は民間による日本製品の不買運動や破壊活動は起きていないか小規模のようだ。これは尖閣事件当時の中国はイケイケ経済だったが、今は中国でバブルがはじけて経済的な行き詰まり状況があるため、民間の抗議活動は限定的と言われている。その反面、中国によるきわどい軍事的な挑発が多発しそうだ。

日本国内で広がる影響

 

今回も中国側が団体旅行のキャンセルや日本産水産物の輸入停止などを打ち出してきた。日本の特定層からは「中国人が来なくなってよかった」「オーバーツーリズム解消になってよい」という近視眼的な見方があったが、日本の経済的な損失は決して小さくない。旅行や水産物業界だけでなく、中国の対抗措置はビジネスや文化交流など広範囲で支障が出ている。

 

高市総理は「国益を最大化する」どころか民間に少なくない経済的損失を生じさせた。「百害あって一利無し」のフテキセツな答弁の責任をどう取るつもりだろうか?経団連の筒井義信会長は「私ども経済ビジネスですから交流の前提は政治の安定だと思う」と建設的な対話を続けるよう求めている。だが、対話では長い時間がかかりそうだ。少なくとも高市総理の在任中は日中関係の改善はできないのではないか?

 

高市総理が「言葉足らずの所がありまして誤解を招きかねないことがありました」と、率直に間違いを認め発言を撤回するのが最良の対応ではないのか。対応が遅れたらそれだけ日本の国益を損なうことになる。メンツにこだわるべきではない。

 

(続く)

先日TVのモーニングショーで、コメ価格高騰の話題を取り上げ、高市政権になって新たに就任した農水相の主張を放送していた。よく見たら、小泉前農水相のコメ政策をひっくり返すようなことを主張しているらしい。前任者との業務引き継ぎをちゃんと聞いたのかね?

前政権から方針がコロコロ変わる

 

コメ価格の暴騰

コメの価格は徐々に上がった訳ではなく2024年に2,000円程度だったものが1年で約2倍に急騰している。これをガソリン価格に例えると、リッター160円だったものが1年で320円になるようなもので、庶民にはとても耐えられない暴騰だといえる。日本の主食であるコメ価格の暴騰は庶民の生活に直接影響する要因になる。また、外食産業などもコストアップの影響を受ける。

スーパーでのコメ価格推移

 

石破前政権はコメ価格を抑えるために備蓄米を放出したが、新米が出回りはじめる頃に一時的に下がったが、新米が出回ると元の高値に戻っている。このコメの暴騰が続くことへの対策が政治的な課題となるはずだ。

コメ高値で売買契約

 

政治の関与方針の違い

石破前政権は従来からの生産調整路線から「米を作るな ではなく増産に前向きに取り組める支援に転換をいたします」と米の増産に舵を切る方向性を出した。その理由は「毎年約6万人が年齢などさまざまな理由で農業から離れているが、人が減っても米の生産能力高めて米の需要に応じて増産の方向へと転換をするとしたのが石破前政権。

前政権 増産に舵を切る明言

 

一方、新しい鈴木憲和農水相は「今は不足感があるという状況ではないと思っている」という認識を示し「需給バランスをとれるような生産の目安を示していく」とのこと。「需要がないにもかかわらず大幅に生産を増やせば供給過剰となってマーケットメカニズムで米価は下がる」とも。新しい農水相は市場原理主義者なんだな。

増産は供給過剰になって米価は下がる

 

農水相は「米価が下がってしまう」みたいな言い方だが、米価が下がることを国民は望んでいるんじゃないですかね。どこを向いてんねん、この大臣は?

 

また、鈴木農水相は「私は石破総理から直接伺っていないので正直わからないですけど」と切り出し、「需要を超えた分は輸出をすればいいという発想だったのかなと推測している」と言う。おいおい、前政権から話を聞いていなって何を引き継いだんだ?まあ、過去政権の方針・方向を無視して余計なトラブルを起こす総理大臣に選ばれただけのことはある。

 

農水省は来年需要見通しに合わせ711万トン程度へと前政権から事実上の政策転換を実行するという。わずか2カ月という短期での方針転換。これには呆れるしかない。

 

前政権と食い違う価格対策

小泉前農水相は「仮に需要があった場合は無制限に(備蓄米を)出す」ことでコメ価格を下げる方針だった。

進次郞 需要があれば無制限に出す

 

それに対して鈴木農水相は「政府備蓄米は基本的に量が足りていなければ売り渡す、量が足りていれば売り渡さない」と言う。

量が足りていれば売らない

 

生産側に寄り添う農水相

鈴木農水相は物価高対策としての備蓄米放出を否定し、その代わりにお米券の配布などを検討しているらしい。さらに「国の責任はやはり需給の安定。「(価格は)最後はマーケットで決まっていくと思いますし、私としては基本的には生産者の皆さんが再生産可能な価格が指標になると思っている」と、 コメ価格の安定より需給の安定を優先させる気らしい。消費者の立場ではなく明らかに生産者の立場に寄り添っている姿勢を示したのだ。非常にバランス感覚が悪いと言わざるをえない。

政策転換で農民右往左往

 

政府の米政策がコロコロ変わり、農民たちは右往左往じゃないかと思うが、農家側の声は

>5年10年の長期的な目線を持って生産計画を現場では立てているのでそういう方向性をしっかりと国の政策の中でも見せてほしい
>今の大臣はすごい期待してる。続けられる農業ができるようにしたいって言っているので農家さん側からしたらすごくいい方向に向いていくんじゃないかな

とオールドタイプの政治屋らしい利益誘導型大臣を大絶賛している。当然だろうな。

コメ価格の高値について消費者の声は

>やはり銘柄にもよりますけれどちょっと高いと思いますね(68歳年金受給者)
>それはもうお金がある人じゃなきゃ買えないんだから(80代女性)

一方でネットの声は

>高値維持ならコメ離れが進むだけだと思う
>米の販売価格は需給バランスによって市場で決められるべき。でも生産量は政府が統制します

鈴木 憲和農水大臣(43)は「私は農林水産省出身でもありますから“はえぬき大臣”です」とコメの銘柄を引き合いに出し、笑いを取ろうとしているようだが、消費者から見たら業界への利益誘導に専念するガチな農水族議員としか見えないため笑えないのですがね。

 

コメの適正価格は?

消費者はどの程度の値段が適正と思っているか?TVで紹介された声は

>4千円以下3千円台に徐々に下がって欲しい
>家族で十分に食べられるような価格でコメ農家もOKしてくれればなっていけば非常に助かる(60代年金受給者)
>コメの値段が全然下がらないからパックご飯を買っている コメは安くならないと買えない(90代年金受給者)
>今までコメの価格が2千円台だった時は経営が厳しかった4千円程度まで上がってきてやっと利益が出るようになった ただ価格が上がりすぎることで“コメ離れ”になってしまうのが怖い(新潟・南魚沼市のコメ農家)

生保会社のアンケートによると、消費者が考えるコメ5kgの適正価格は平均2709円らしい。新米の値段から大きくかけ離れ、古古古古米ぐらいの価格が適正価格になる。それはあんまりじゃないですか?

望まれるコメの適正価格

 

石破前政権は「コメは3千円台でなければならないと思っている 4千円台などということはあってはならない一日でも早く実現する」としていた。

 

これに対し、鈴木農水相は「政府がどの価格帯が「良い」とか「悪い」とか言うべきではない 生産者の再生産可能な価格というのが1つの指標になると思うが、最後はマーケットで決まっていくと思う」と逆向きの持論を展開。

 

この鈴木農水相の言い分は、政府としての責任感が感じられない。政府が適正価格になるように誘導もせず、ただ生産量だけ管理して市場価格に任せるというのも無能無策すぎる。この農水相の政策ではコメ価格の高止まりが続いても放置されそうだ。

 

また、今のコメ価格の高止まりの状況においても「今の状況は不足感があるという状況ではもはやないと思っています」というのは一面的な見方ではないか?市場在庫に不足感がないとしても、安いコメから売れていくため、消費者が考える適正価格で買えるコメは不足感があるらしい。放出された備蓄米の在庫がある間はよいがいずれ在庫が底をつく。まさか流通過程での在庫隠しは無いと信じたい。

不足感がある状況ではない

 

ANN世論調査「政府はコメ価格に関与した方が良いか?」というアンケート(10月25日〜26日)によると、よい56%、よくない27%、わからない・答えない16%という結果である。国民は政府がコメ価格に関与した方がよいという意見が過半数である。鈴木農水相の方針は国民に支持されていないということだ。実際に反発されまくっているのだがね。

 

コメ供給量が増えても高値の不思議

主食用米の生産量は今年748万トンになる見込みらしい。今年の主食用米の供給量が需要量に対して多くなればコメがダブつくことになるはずだ。

コメ需給の現状

 

しかし、今のところはコメ価格が高値のままだ。供給量が潤沢なのに26年産のコメを高値でつかんだ買い付け業者が損切りを嫌って価格を維持したい思惑があるらしい。業界は「備蓄米がなくなれば消費者は高値でも買わざるを得ない」とでも思っているだろうか。来年は備蓄米としての買い入れ分を除いて711万トンぐらいのコメの市場供給量だというが…?

 

今年は去年からの慢性的なコメ不足から一転し、安いコメから売れて高すぎる米が余り始めているらしい。また、消費者のコメ離れや輸入米に替えるケースが現実になっているという。実際「スーパーのバックヤードに新米があふれている」「シャッターを下ろした米屋もある」という話がニュースになっている。

 

コメ暴落のシナリオ

精米されたコメの品質は徐々に下がるため、だいたい1か月で売れなかったコメは廃棄されるという。売れないコメは廃棄するか値引き販売するしかないが、他のコメの価格にも影響するため値引き販売もやりにくい事情があるという。

 

食品表示法で定められているが、収穫した年内に精米・包装した米だけが「新米」と表示できる。つまり、年明けに精米したコメは「新米」と表示できなくなるため、新米のような価格で売りにくくなる。下がると言っても数百円から1割ぐらい安くなると言われているのだが、在庫状況や売れ行きによっては下げ幅が変わることもありそうだ。

☞ 米屋がため息「新米が高すぎて売れない」 スーパーに在庫が山積 おいそれと「値下げ」できない切実な理由

 

また、年度末の決算を迎える業者が多い3月にコメの投げ売りが始まるという予想もある。期をまたぐ期末在庫が多いと税金を多く納めなければならない。このため過剰な期末在庫を減らすために投げ売りが増えるという予想だ。

 

何のことはない。価格高騰でコメ需要が減り、鈴木農水相が信仰する「神の見えざる手=マーケットメカニズム(市場原理)」によってコメが暴落するということになる。コメの卸業者や米屋がつぶれてもそれは市場原理ということになる。

 

ただし、マーケットで余ったコメを政府が備蓄米として買い取る説があるが、それは「市場原理を崩してまでして業者を助け、コメの高値維持するのか」と大批判を浴びそうなため仮説に終わりそうだ。

 

鈴木農水相の言葉を真似ると「需要が減ったにもかかわらず大幅に在庫を抱えると供給過剰となってマーケットメカニズムで米価は下がる(はず)」が今の状況にあたる。

 

コメ需要の見通しと実績の誤り

毎年下がる一方だったコメの需要が2023年から上昇に転じている。2022年は691万トンで需給トントンだったが、それ以降の隔たりが大きくなり、2024年には37万トンの差にまでなっている。

コメ需給の見通しと実績

 

農水省の大本営発表によると、見通しと実績がずれた理由について考えられるのが精米の歩留まり(品質合格率)の悪化だという。生育不良などにより品質で不合格とされた不良米が増え、供給される白米の割合が予想より少なくなったとしている。また、精米の歩留まり以外にはインバウンドの需要が増えたことや米不足による不安などの影響で、家庭の購入量が増えたことなどが理由として考えられるとしている。精米の歩留まり悪化は供給量の不足要因だけどな。

 

精米の歩留まりが原因で37万トンの差が出たじゃないだろう。そもそも毎年減ると見込んだ需要見通しに反して需要が増えたことで需給のアンバランスが出たのが原因じゃないのか?農水省の責任逃れの言い訳にしか見えないのだが。

 

また、インバウンド需要や家庭の購入量が増えたことは需要の拡大要因になるが、コメ価格暴騰の大きな要因は「コメはあるだけほしい」と血まなこになってコメを集めていた一部の卸業者や集荷業者の過熱感じゃないかな?実需じゃなくて仮想需要というかコメバブルというか。

☞  あるだけほしい」と血まなこになっていた集荷業者がピタッと…

 

農水省は認めないだろうが、コメの需給の見通しが甘く、しかも2年間も差異の拡大を放置した責任がある。稲の生育不良や不作はいつでも起こりえるし、インバウンドの増加は前から分かっていたはず。それらの不確定要因を織り込んだ一定の“安全率”を加味した需給見通しを策定するべきだがそれを誤ったわけだ。今後も高い精度で需給見通しができるのか?鈴木農水相の「需給トントン」計画は、見通しが外れたとき再び米騒動が起きかねないリスクをはらむ。

 

農業の守護神は庶民の敵か

鈴木憲和農水大臣は東京都中野区の出身で、東京大学合格者数ナンバーワンの開成高校を経て、東大法学部を卒業してキャリア官僚として農水省に入省した経歴らしい。申し分がない高スペックに見合うエリートとして歩んできた人物だ。12年に政治家を志して農水省を退職後、山形2区から出馬して農作物の輸入を拡大しかねないTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への反対を掲げて当選したという。農業への利益誘導はライフワークであると同時に議員になるための手段でもあったわけで典型的な族議員だ。

 

鈴木農水大臣は所属していた旧茂木派が総裁選の決選投票で高市支持に回ったことで、その論功行賞で若いながらも大臣に抜擢されたと言われている。ラッキーだったんだね。

農水省の打ち出の小槌

 

地元の市議会議長によると「頑固で持論を曲げない、人の言うことは聞かない」人物像という。コメ政策をひっくり返すようなことをやらかしたことから「ああやっぱりな」という印象だ。鈴木農水大臣は、農家にとって適正なコメ価格でなければ、農業をやっていく人がいなくなってしまうことを懸念していたらしい。同期の自民党議員によると、5年先、10年先の農業をどうするのかという問題意識を持っている人物という。その認識は石破前政権でもほぼ同じはずだったが手法は正反対だ。

 

まあ、思想的にも、経歴も信念(善し悪しは別にして)もしっかりしているためか、TVでも理路整然という印象の受け答えをしていた。今ふうにいえばAIが受け答えするような模範的回答のようだった。しかしながら、考え方のバランスに欠けるという点が気になる。農業への利益誘導は熱心な反面、国民生活への関心の薄さが目立つのだ。両者の利益はトレードオフの関係にあるため、相反する利益をどうバランスを取るかが大臣の責務と思うのだが…

コメ高騰の影響-1杯のインスタントラーメン

 

国民は物価高であえいでいるのに、あえてコメ価格の高止まりを放置しようという大臣だから世間の反感を買うのも無理はない。一応、暴騰したコメ価格の高止まりへの対策として“おこめ券”を掲げているが、これがはっきりしていないし、評判も芳しくない

☞ おこめ券配布、高市首相「確定していない」 経済対策巡り慎重答弁

>政府がおこめ券を配布するかどうかを自治体の判断に委ねることになると、地域によっては受け取れない国民も出てくる可能性がある

>おこめ券は、安価な輸入米の購入費用にも使うことができる。地域によってはタクシー代などにも充てることができ、必ずしも国産米の消費拡大につながらないとの指摘も出ている。また金券ショップなどで現金に換金される事例も

 

おこめ券で家計を補填しても一時しのぎでしかないコメ価格の高止まりを放置するなら、消費者の米離れや輸入米を求める動きが高まるだろう。そうなれば、農家の淘汰が進むことになり、元も子もなくなるのだが。さて、どうなるかな?

 

 

維新の党是のに「身を切る改革」というのを挙げているらしい。よく分からんが議員定数削減は維新の「身を切る改革」から来ているのだろう。まあ最初は献金廃止論で鼻息が荒かったが、コッソリ議員定数削減に差し替えてくるあたりのどこが「身を切る改革」なんかね?

 

今開かれている第219回臨時国会は、令和7年10月21日〜令和7年12月17日が会期とされている。今から数えて1か月ほどしか会期が残されていないが、その間に維新が強引に定数削減法案を成立させようとゴネているらしい。

 

自民と維新の連立政権合意書

自維連立政権合意書_議員定数

合意書によると「2025年臨時国会で議員立法案を出して成立を目指す」と書かれているようだ。よくもまあ、こんな無理筋で合意したもんだなという感じ。当然ながら立民がこの「成立を目指す」と書かれていることに突っ込みを入れた。

 

高市総理は「いま少数与党だから必ず成立するかわかりませんが、各党から各会派にはしっかりとご議論いただいて、その上で成立を目指すことになったと記憶している」と答弁。ん?「少数与党だから…」じゃないだろう。そもそも内容と日程が無理筋な話じゃないのかね?

議員定数削 高市トーンダウン

 

微妙なトーンダウンなのは?

少数与党だと言いながら、あと何人かで衆院議席が過半数じゃなかったっけ?自民と相性抜群の極右政党を巻き込めば成立するのじゃないの?あ、極右政党は弱小政党で損をするから反対するか。

議員定数削減法案成立するかどうかわからん

 

この話が弱気なのは、成立の見込みがないと分かっているんじゃないだろうーか?野党議員も高市総理はヤル気があまりなく、維新との間に温度差があると指摘している。

定数削減「大変困難」自民と維新に“温度差”

 

議員定数見直しは国勢調査に基づくべき

来年秋ごろに2025年国勢調査の人口動態調査結果が公表される予定がある。これをベースにどのように削減するのかを詰めていこうと連立政権合意書を作るときに話したことを明かした。

 

それにしては奇妙な合意文書ではないか?常識で考えても議員定数を変えるなら国政調査結果を踏まえ、1票の格差ができるだけ少なくなるよう、選挙区も含めた議員定数をどう割り振るか検討するのがスジだろう。

 

まあ、2025年7月の参院選も一票の格差が違憲状態と指摘されており、次の衆院選もまた違憲状態という判決になるだろう。一票の格差を放置して比例代表だけ減らして何の意味があるというのだ

☞ 7月参院選の1票の格差、札幌高裁も「違憲状態」 7件目

>格差の是正に向けた国会の取り組みに具体的な進展がみられず、方向性も定まっていないことを踏まえ「違憲状態にあったと認めるのが相当」とした

そもそも、今国会の会期末までに議員定数削減法案を成立しなければならない切迫した理由は何だろうか?維新と自民は何を焦っているのだ?

 

1か月で議員定数削減法案の成立は困難

いまの臨時国会の会期とされている2025年12月17日までに法案の成立は可能だろうか?

 

自民党の鈴木俊一幹事長は「来月の会期末までに各党各会派との協議を終えて、具体的なところまで決めきれるかというと、なかなかそうはならないのではないか」と、臨時国会で必要な法案を成立させることは難しいとの認識しているようだ。

議員定数削減自民党幹部から慎重な声

 

また、鈴木俊一幹事長は「比例代表だけの削減にするのか小選挙区もするのか(中略)具体的な結論 数字も入ったようなことを来月17日までに決めきるのは難しいのではないか、ということを申し上げた。政策合意に書かれていることについてはしっかりと実現ができるように対応していきたいと思います」と会見で述べている。

 

これを受けて立憲民主党 馬淵澄夫 代表代行は「鈴木幹事長は会期中でまとめるのは難しいとおっしゃっている総理はどうですか?」と高市総理に質問した。まあ、そらそうだわな。

 

高市総理は「大変困難ではあると思いますけれども実現に向けて努力をしてまいるということです」と今のところは「ムリ!」と言わなかった。政治屋の習性だが、無理と分かっても見せかけの努力を演出するつもりだろう。いま維新に逃げられたら元も子もないからなー。そういう弱気(?)だから脅迫されるかもしれない。

大変困難ではあるが頑張りまうす

 

強行採決で突破する?

ところが維新の吉村は、「簡単ではないというのは『全会派の合意を得るのは簡単ではない』という意味の発言だと思っている」と曲解している。これは暗に「強行採決しなはれ」というシグナルを送っているのだろう。強行採決できるものならやってみろ。

 

「高市総裁を信じています」

過半数に届くかどうか微妙な数で重要法案を強行採決すればどうなるか?考えたら分かりそうなもの。「高市さんを信じています」って吉村に抱きつかれた高市は深い海に沈められることになる。高市にとってはセクハラ的な迷惑セリフでしかないのだ(笑)

 

現実を無視 身の程知らずの維新

維新の藤田も論理も現実も無視してただひたすら「成立させる!」の論理なき根性論一点張りだ。根性と言うよりはむしろ暴走というべきか。国家としての目的も方向性も理論もコンセプトもないただの暴論だからな。

 

議員定数削減めぐり”解散”発言

 

藤田の「削減法案の提出は両党の合意だけでできる」という言い方は「自維連立政権で強行採決しなかったらダメだ」という意味だ。ヒネリも工夫もない言い回しだ。さらに「野党に理不尽に潰されたら解散したらいい」と言うのだからこれはもうア○を通り越している。

 

藤田のダメなところは非常識で品格も反省もないところ(笑)それが端的に示されたのが「政治資金還流」疑惑。藤田の秘書が代表を務める会社へビラ印刷などが発注されていた問題。約2,000万円の公金を還流した疑惑だ。

☞  「身を切る改革」を掲げる維新がコレ? 藤田文武共同代表の釈明会見でまた出した「非を認めない」党の体質

>こういう金の動きを堂々と正当化するのが今の維新国会議員団。これがまずいというセンサーが働かない 適法・違法が問題なのではない。「外形的公正性」の問題

「身を切る改革」を主張していた維新の幹部が実は身を肥やしていた。「定数削減を言う資格があるのか」という話にもなってくるだろう

 

藤田の資金環流疑惑を報じたのが共産党機関紙「しんぶん赤旗」だ。藤田は「赤旗はメディアではない」と自分の主観を言い張り、取材した記者の名刺画像をSNSに晒すの行為は、他人の誹謗中傷攻撃を誘導する犬笛的行為と言え、与党の共同代表として非常識の極みと言える。メディアであろうがなかろうが個人情報をSNSに晒してよいはずがない。きちんと反論できない腹いせなんだろうな。

☞ 維新・藤田文武氏による「嫌がらせ」に失望の声 赤旗記者の名刺をSNSでさらし…立花孝志氏ばりの「犬笛」

>記者個人への攻撃や嫌がらせを誘発する危険性がある。報道の自由を侵害する行為にほかならない

 

普通の人間なら「誤解を招かないよう次から止めます」と軽く謝罪をして済ませられる問題だ。それを意地になってツッパり、相手に法的措置を取らせるところまで話をこじらせるのは🐎🦌の極みといえるだろう。犬笛を吹くのが得意な某氏は逮捕済みだが、それと大して違わんレベルじゃないかな。

 

実際、犬笛に呼応したネット野犬の群れによるメールや電話でさまざまな所で業務が妨害されているという。最悪パターンでは被害者が命を失う事態まで起きている。議員定数削減法案より先にネット害獣駆除法案が今国会で成立されるべきだと思うがどうだろう。

 

さらに、メディアの会見でも藤田の態度が悪いと評判になっているようだ。

☞ 「会見内容飛ぶくらい態度悪い」国民不信募るカネ疑惑の維新・藤田共同代表、“新証拠”のピンチ

>記者会見での態度があまりにもふてぶてしく、多くの国民の反感を買ってしまった

>藤田共同代表の「それは自由じゃないですか?」「何がおかしいんですか?」「それはあなたの感想であって、一般的な商習慣というのを全く知らないだけだと思います」とイラだちを隠しきれない様子

悪態ついて逆ギレ会見するのは与党の代表者として相応しくないだろう。叩かれ弱い人物が与党いりしたとたん気が大きくなり、肩で風切って与太って永田町を歩いたら棒に当たってしまった印象だ。

 

傲岸不遜と言われないよう、もう少し大人になれないものか?ご主人の後ろに隠れてキャンキャン吠ていないで、偉そうに言いたいなら立場を閣内協力に変えてご主人の代わりに答弁したらいかがかな?

 

閣外協力の立場を理解できない維新

藤田の「解散したらいい」発言を受けて、立憲民主党 野田佳彦代表は、解散権がない人が言うべきでない。解散を振りかざすのはあまりにも乱暴過ぎる」とバッサリ。維新はしょせん脇役に過ぎないのだが、俺が俺がと出しゃばりの感が否めないだろう。

高市総理 定数削減での解散に否定的

 

藤田発言について高市総理は「少なくとも議員定数の議員立法を争点に解散するということは普通考えにくいんじゃないでしょうか」と議員定数削減での解散を否定した。そりゃそうだ。

維新松井は“連立離脱”発言

 

おまけながら元職の松井一郎までもが「議員定数削減の法案を臨時国会に提出できなければ連立政権を離脱するべきだ」と考えているという。維新はどこを切っても無謀論や脅迫論しか出てこない金太郎飴党なんだろーな。

 

オバサンにむりやり契約させて「契約書に書いてますよね〜」と迫る業者みたいな感じというのは言い過ぎかもしれん。目先の効能欲しさに無理筋な契約にサインしたオバサンにも責任があるわけだしな〜(笑)

 

自民党の法案提出までの動きと見通し

法案提出までの動きを簡単に書くとこういうことらしい。

自民党の政治制度改革本部で意見をまとめて法案を作成 ⇒ 初会合(11月12日)⇒
自民党 総務会で作られた法案を検討(原則:全会一致で承認) ⇒ 国会に法案提出

簡潔に書いたが中身は面倒くさい手続きが必要らしい。このような手間を経て会期中に法案を成立させるのはスケジュール的にも極めて困難だという。

 

議員定数削減に立憲は「削減の方向性は賛成だが小選挙区とのバランスを考慮すべき」、与党になり損なった国民民主党は「削減に賛成」らしい。公明を含めて弱小政党は全部反対というところか。いずれにしても、国民の声を吸い上げる政党の存続にかかわる重要法案で、民主主義の根幹にかかわる選挙制度だが、会期ありきで手間を省いて急ごしらえしたズタボロ法案を成立させても国民が不幸になるだけだ。

 

維新がツッパリ通して連立離脱となれば面白いが、せっかく手にした与党のウマミをそう簡単には手放さないはずだ。おそらく法案を提出しただけで維新と自民はシャンシャン手打ちすることは目に見えている。それでも維新は「やりました感」を演出して「我が党の実績」として世間にPRするつもりだろう。

 

維新が離脱をちらつかせて自民を脅迫しただけのバカげた政治ショーに終わるか、もしかしたら年末に高市の一発逆転ギャンブル解散があるかもしれない。数合わせに焦って○阪ヤ○キーを抱き込んだツケを払わなければならないかもしれんがね……

 

 

「政治とカネ」利権を何としても死守したい自民が「カネにルーズな」維新にすり寄り、自維連立政権となった。ただし、自公政権の時とは異なり、閣外協力とという立場をとるらしい。

 

答弁不要で責任を取らない立場の閣外協力

維新閣外協力で逃げ道確保

 

閣外協力とは維新から大臣を出さないで、自民が提出した法案に「さんせ〜」と賛成する立場だ。維新に大臣に相応しい議員がいないという事情があるかもしれない。また、閣外協力なら責任を負わなくて済むという無責任で便利な立場であると言われる。

 

維新の連立入り要求政策

維新は連立政権入りの条件として「12の政策」を打ち上げた。絶対条件とした3項目のうち1つ、献金廃止は唐突に「議員削減」にすり替えている(前記事参照)。「社会保障改革」と「副首都構想」は具体的な話が出ていないようだが後回しだろうか?まあ、実現したとしても腰砕けの名目上の政策に終わりそうな気がする。逆に自民提案の政策にはホイホイ賛成するはずだ。

維新定数削減にすり替え、秋の臨時国会で法案成立のつもり?

 

議員定数削減の実現度は?

維新ヤル気なし

 

維新前代表のババは、政治とカネは時間がかかる話だが諦めた訳ではない、優先順位で言えば議員定数悪減の話ということらしい。もっともらしいが、高市が総裁任期となる「2年後までに結論を得る」としたらしいが「協議体を設ける」とか「結論を得る」という言い方で絶対に実現する気がない断言しておこう。献金廃止は自民が下野したときに実現するしか手はないかもしれない。

献金禁止は高市が退陣するまでに結論とヤル気なし自民&維新

 

議員定数削減の正統性

500人の1割の根拠は?

 

維新は唐突に献金廃止から議員定数削減へと切り替えてきた。どうも以前から立案していた様子がなく急ごしらえ案のようだ。たとえば、なぜ50人かという点。500人の1割だというが、なぜ1割かという理由が不明確なのだ。

 

議員削減に公明猛反発

 

どうも真面目に積み上げた案ではなく思いつきの急ごしらえという感じがする。削減対象は衆院の比例枠で、小選挙区や参院は削減対象外らしい。自民はこの案を受け入れるという。しかし、旧自公連立政権の相方だった公明党は比例だけを削減する案には反対だという。

 

なぜ議員削減案が反対されるか

2024衆院選主な政党の議席配分

2024年衆院選主な政党の議席獲得数で見ると、国民以下の小政党は比例区での議席獲得割合が高いことが分かる。比例区だけ議席数を減らすと小政党に大きな影響が出るということだ。

 

比例区だけ50議席減らすと大所帯の政党ほど削減数が多く見える。しかし、議席減少率で見ると大所帯の政党は10%以下だが、公明や共産党は25%減と比例選出議席が多い政党ほど大きな影響が出る。

 

賛成党や保守党などの弱小政党は存続の危機すらある。たとえ極右政党であっても、多様な意見を吸い上げることも考慮しなければならない(棒読み)。

比例区50減にしたら中小政党の影響大

 

身を切らない改革

維新はほぼ大阪の選挙区に頼っているため、議席数が少ないわりに影響が少ないといえる。維新が持ち出した案は自民と維新に有利な削減案であり、自民が乗ってきやすい案といえる。ここら辺に維新の腹黒さが出ている。他の政党は選挙区も削減するなどバランスが取れた削減案を要求して欲しい。大阪選挙区は2つぐらいに統合しろよとか(笑)

 

☞ 維新案なら自維で過半数 大政党「身を切らない改革」 定数削減試算

>比例定数を50議席削減すると、自民、維新両党で計21議席減少するものの、小選挙区と合わせると計212議席を獲得。定数減で過半数ラインが208議席に下がるため、2党で衆院過半数を得られる見通し
>大阪府議会では11年に109だった定数が、他会派の反対を押し切って今では79まで約3割削減された。ただ、定数減に伴い改選数1の選挙区が7割近くを占めるようになり、中小政党が議席を得られず、大阪で最も党勢が強い維新が大勝する構図になっているとの指摘もある

 

そもそも日本は議員が少ない国

維新は連立政権入りの条件として議員定数削減案を突然持ち出したが、日本の国会議員数は決して多い訳ではない。

日本は議員数が少ない

 

G7諸国における人口100万人あたりの議員数で見ると、G7中6番目の3.7人であり先進国の中では少ない方と言える。これで何か不都合があったということではないはずだ。アメリカは極端に少ないが、さまざまな意味で独特な国だから手本にはならない。他国並みにするなら、欧州先進国を手本に議員定数を引き上げることも考えられる

 

頭数を減らして議員報酬の歳出を抑えるのだと言いそうだが、歳出削減が目的なら議員報酬額を減らせばいい。むしろ地方においては、議員定数削減によって地方独自の意見が吸い上げられなくなることが心配されている。議員定数削減は公平な選挙制度を崩すデメリットが明らかにあるのだが、維新が与党にすり寄るためにすり替えた案であり、ロクでもないポピュリズム案だと言っておこう。あまりの乱暴さに自民党内部からも懸念の声が上がっている。

 

☞ 岩屋前外相「人気取りのための定数削減は乱暴」 衆院巡る自維合意に

「全ての政党が同じ土俵で戦うための民主主義の基盤」だと指摘。与党内で比例定数を削減する案などが浮上していることについて「(削減を)連立を組む材料にし、2党だけでそういう約束をするのは筋が違うのではないか」と述べた。

 

議員定数削減は2012年に約束されていた

実は維新が初めて議員定数削減案に言及した訳ではない。民主党政権時代の2012年に当時の野田総理が下野中の自民党アベ総裁に定数削減するなら解散してもいい、と国会の場で約束を求めた。

2012年に定数削減をやるなら解散してもいい

 

アベ総裁は「定数削減を約束する!」と啖呵(たんか)を切ったので野田が解散したら、大負けしてアベ政権が誕生した。ところがアベ総裁は堂々と約束を守らなかった(笑)国会に発言記録が残されている約束を無視した訳だ。

 

定数削減をやると言ってやらなかったうそつき安倍

 

天性のうそつきを信じる方も悪いのだが、国会議員を見たらうそつきと思えという悪い評判が定着した。1960年代に池田勇人大臣が「私はウソを申しません」とウソを言い切っていた。自民党にはずいぶん昔からうそつき大臣がいたのだな(笑)「いや、それ虚言症という病気だから」と言う人までいたらしい。

 

いずれにせよ、アベ総理が俗世の良識を覆す超人的なウソで政権を奪還して以来、13年間もウソを通し続けた自民党。高市は、今この時の議員削減の約束を実現したらアベ政権・自民党のウソじゃなくなると言ったらしい。なに言ってんだろう。

 

そもそも今度の議員削減も自民党から言い出したのではなく、与党になりたい維新が自民が受け入れない献金廃止を議員数削減にすりかえて自民が乗ってきただけなのだ。

安倍の子分格の高市なら騙す恐れあり

 

13年も前の議員削減の約束だし、約束した本人が他界しているのに今さら約束の実現と言えるはずがない。また、議員数削減を自民党と約束しても中身で騙されることがあり得るのだ。アベ政権の伝承者なら再犯の恐れありということだ。信用してはならない。

 

 

公明党の政権離脱により立憲、維新、国民民主が手を組めば、政権交代が実現する可能性が生じた。

立憲の野田佳彦代表は「政権を取る十数年に1度しかないチャンス」と野党連立政権に意欲を見せたが……

野党が連立を協議するが

 

野党連立政権への奇策だったが

立憲は国民民主の玉木代表を野党統一候補とする奇策に出た。が、玉木は「総理になる覚悟はある」と言いながらも、我が党の基本政策に合わせなければ連立はできないとガンコな態度を崩さなかった。しかし、信念・信条を貫き通す姿勢には見えず、元は一緒だった政党に譲歩も妥協できないワガママな駄々っ子みたいにしか見えなかった。

野党は玉木を担ぎ上げるつもりだったが

 

視野の狭さを露呈した国民民主玉木。もし野党連立ができて玉木総理になってもロクな政治にはならないだろう。約束の反故、腹芸、裏切り・裏工作などが日常のダーティな政治の世界(笑)で自己の思惑でツッパリ通すのは決して全体の利益にはならない。最近、ちょっと支持率が上がったと思って調子に乗りすぎじゃないだろうか?

玉木は他が歩み寄れと強気

 

玉木代表は「永田町の回転寿司は一度取り損なったら、二度と回ってこない」と立憲の野田代表に言われたらしい。ポスト打診のチャンスを蹴ったら二度と話が来なくなるという格言らしい。フリーランスが仕事依頼を断るのも同じことだけどね(笑)

 

そもそも立憲・国民・維新で連立するというのは、指向がバラバラで妥協できない政党が連合してもまとまるのは難しい。残念ながら「木を見て森を見ず」的な視野が狭い弱小政党が寄せ集まっても意味がないだろう。

維新は「歩み寄りがあった」と言った一時間後…

 

維新は野党連立より副都心構想の実現

維新は野党連立の協議に参加していたが、実は自民党の連立を画策していたらしい。気を持たせただけで、さっさと自民との連立を公表した。

首相主犯指名で高市の名前を書くと

 

報道によると、公明党が離脱した後で高市側から維新にアプローチしていたという。野党連立を簡単に蹴り、自民の誘いに乗ったローカル政党おおさか維新。党是ともいえる「副都心構想」を取引材料にすれば実現すると読んだはずだ。それ以外にも自民党と相性の良さがある。カネに甘いことだ

 

カネに甘い維新の本領発揮

維新が企業・団体献金の廃止を求めていたというが、維新が本気で献金廃止を求めるはずがない。絶対にない。あくまでポーズにすぎないと断言できる。維新は本質的に政治のカネに甘いという体質があるからだ。

維新バカ代表 10年後に領収書を公開する案

 

2024年5月、維新は政策活動費を証明する領収書類は10年後に公開する改正案を提案、自民と合意している。政策活動費の領収書など支出の真実性・正当性を証明する証憑類は一般的には7年または10年の保存義務があるが公開義務は課せられていない。10年後に領収書を公開する前に保管義務が期限切れになって廃棄されたら何の意味もない。また、10年前に議員が落選や引退しても意味がないことになる。このように制度の改革どころか大改悪の大罪を犯したのが維新である。

☞ 自民党金権政治の協力者たち

政策活動費改正案各党比較

 

2024年政治資金規正法の改正は、意味がないザル改正だと維新以外の野党は反対したが、自民と維新は政治資金に甘い体質の政党だと覚えて欲しい。政治資金に甘い価値観が合致した自維連立政権ができたのは当然の成り行きと言える。「類は友を呼ぶ」ともいう↓

 

☞ 維新・藤田共同代表、公設第1秘書の会社に「公金支出」

>もし、藤田さんが秘書のかかわる事業で報酬を得ていたなら、これは大ごとになるだろう。ベテラン議員を中心に反対意見も多かった、維新の与党入りを強行に進めたのが、維新の代表である吉村洋文大阪府知事。自民党に影響が出なければいいな、と願うしかない

 

ローカル政党ゆえの我田引水思想

しょせん大阪中心のローカル政党、政治献金廃止より副首都構想最を最優先で実現したいのだろう。副首都構想最は、過去に2度も住民投票で否決された大阪都構想の焼き直し版。総理大臣の表紙替えと同じようなもので、しつこいといったらありゃしない。

維新が元々は献金禁止を絶対王権に挙げていた

 

副首都構なら全国分散型がいいという案もあり、何も大阪に集約する必要はないはずだ。維新的には我田引水したくても全国的に見たら大した価値もない構想。税金の無駄使いとしか言えないし、緊急度も高くない。どうしてもやりたいなら国民投票をやれよ。

 

維新 献金廃止→議員数削減にすりかえ

水面下で維新は自民に献金の廃止を求めていた (10/17)

 

維新は与党に食いつくためなら嘘も辞さないらしい。最初は献金廃止を連立の絶対条件に挙げていたが、あっさりトーンダウンして国会議員定数の削減にすり替えてきた。

維新吉村は自民が献金廃止をやるはずがないと

 

維新があっさり政治献金廃止を引っ込めたのは、自民党と連立を組むことを何より優先したと思える。清廉な政党なら「政治献金廃止をのまなければ連立はありえない」ぐらい言うはずだ。カネにルーズな政党は政治献金の廃止はたいしたことがないと考えているのだろう。

献金禁止の代わりに議員定数の削減ですり替え

 

与党になりたがっている維新は自民が嫌がる政治献金廃止を引っ込めて、国会議員の定数削減にすり替えた。最初は鼻息が荒かったが、じきに自民のご機嫌取りに回った。こういう姿勢は国民から不信感を招くだろう。

公明「献金廃止→定数削減はすり替え」

 

今まで連立を組んできた公明党が議員定数の削減に不信感と不快感をもっているらしい。これからどうなるか分からないが、比例区を中心に50議席ほど削減する案がでている。ただし、このやり方が荒っぽいという批判されている。比例区の削減は、自民のように大きい政党は影響が少ないが、小さい政党ほど影響が大きくなると言われている。選挙制度は政党間での公平さが重要になる。不公平な選挙制度への改悪はそれこそ憲法違反になりかねない。大政党に有利な改悪にならないか注視したい。

 

☞ 自維連立で比例削減検討、2万円現金給付を否定…公明幹部「嫌がらせだ」「自民は復帰難しくする対応」

>自民の鈴木幹事長は記者会見で「小選挙区の削減は難しい」と述べ、比例定数の削減を唱えた維新の吉村代表に同調した。公明幹部は「公明への嫌がらせだ」と不快感を示す

小選挙区が難しいなら中選挙区にして区割りを変えればいいだろうに。まあ、自民は小選挙区のおかげで議席を多く取っているから不利になる区割りをするわけがないが。

 

公然賄賂陳列罪?

高市政権になったとたん、石破政権で自公政権が公約にした2万円の給付を反故(ほご)にしたらしい。公明党は怒っているが、与党への投票を期待して国民に給付を約束したのに(笑)大負けしたら給付はやめるのか?それとも公然賄賂陳列罪だから違法ですって訳か?あ〜妄想ですよ妄想(笑)

 

前政権の公約だからといって新政権が公約を守らなければ自民党としての公約違反になりますけどね。まあ、自民党の公約違反は毎度のことで誰も驚かないのだが。

 

(続く)