NHKは20021年4月9日の朝のニュース番組「おはよう日本」で在日コリアンに対する差別表現がDHCの公式サイトに掲載されていることを報じた。この番組を見たとき、NHKが企業のヘイト行為を実名で放送するの?と驚くとともにNHKの並々ならぬ決意と覚悟を感じた。

 
昭和の頃ならいざ知らず、もはやあらゆる差別が「人権問題」とされるのは世界的な潮流であることは間違いない。差別を煽る企業にとってメリットは何か?ヘイト企業の実態が放送されたのは興味深い。
 
偏見を植え付け差別を煽るいわく付き企業DHC
DHC会長の民族差別ぶりは今に始まったことではない。放送倫理・番組向上機構(BPO)から人権侵害と認定されたいわく付き番組「ニュース女子」がめでたくこの3月で配信終了となったらしいが、この番組は化粧品大手ディーエイチシーのグループ会社のDHCテレビジョンが制作していたことも知られている。
ヘイト企業「DHC」
そのようなヘイト企業が、2020年11月にライバル企業を貶める表現や在日コリアンに対する差別表現が含まれる汚らしい文字列をDHCが公表し、人権団体やメディアから厳しく批判されていた。
偏見を植え付け差別を煽る企業
 
企業絡みの社会問題と政府の方向を伝える報道番組
NHKがこの時期にあえて蒸し返した理由は番組の冒頭で述べている。これにより問題企業に対するネガティブキャンペーンでないことが明確にされている。

 

五輪が近づくなか、オリンピック憲章にも根絶が謳われている差別など人権問題の関心が高まっています。国は去年「『ビジネスと人権』に関する行動計画」をはじめて作成しました。社会における企業の影響力が増すなか、多様性がある社会を実現するために企業に求められる「人権への取り組み」が求められています。しかし、企業と人権を巡っては課題が解決したとはいえない現実が横たわったままです。
問われる企業の人権意識
このテーマはNHKが思いつきで提起したのではなく、五輪開催を控えた我が国で企業の人権問題が存在すると政府が認識していることを伝えている。日本における人権問題は、倫理的にも国際問題としても解決しなければならないテーマとして国が取り組んでいるというのだ。国が正しい方向を目指すかぎり、公共放送機関がそれを報道するのは当然の流れといえる。
人種差別や民族差別などあらゆる差別は人権問題である。特にスポーツ界においてはあらゆる差別行為が厳しく非難される。五輪を開催しようという国が自国の差別言動を放置していたら国際問題になりかねない。つまり、企業や個人の差別意識は日本が期待される信頼を毀損し国益を損なわせることにもなる。五輪期間中の時期限定では意味がないが、政府が影響力の大きい企業の差別行為に着目するのは当然だろう。国が差別根絶を目指している以上、あらゆる差別は人権問題にとどまらず日本の国益を損なわせる反日行為になるといえるだろう。
 
民事で敗訴した痛いヘイト企業「フジ住宅」
同じ番組の中で住宅メーカーの差別行為も報道された。大阪の住宅メーカーであるフジ住宅は、職場で「彼ら(韓国人)は嘘を付くことを習慣とする民族」などの幼稚で下劣なヘイトスピーチを含む文書を配布し、従業員に訴えられたというからちょっと頭がおかしい。もしかしたら、思考力に難がある差別主義者が経営する零細企業ではないですかね?と思ったら東証1部上場の不動産大手なんですって!まー、どうかしてるぅ🤬
ヘイト企業「フジ住宅」
嘘つきは日本人だって少なくないのだが、個人的な素行を根拠もなく民族に当てはめることが差別行為と言える。差別が直ちに犯罪にならなくても、民事で責任を追及されることは当然予測されるべきこと。従業員に訴えられたヘイト企業って国際的に恥ずかし過ぎますね。本当に日本の恥部ですがな(笑)

☞ 職場で差別文書、賠償命令 在日韓国人女性が勝訴

おもしろいことすてきなことを追体験できた「フジ住宅」

案の定、この裁判はフジ住宅が敗訴して大恥をかくことになったが“経営者の言論の自由の観点から承服しがたい”として控訴しているらしい。しかし、一審判決後も差別的な文書が配布されただけでなく、「パート社員なのに複数人の弁護士を採用し、背後に日本をおとしめる組織が見え隠れしています」などと陰謀論まで展開したメールマガジンも全社員に送った、というから控訴審でも逆転どころか賠償額が上乗せされる可能性もありそうだ。
☞ 賠償命令後も差別文書を配布
企業のヘイトは100万そこそこの賠償額では抑止力がない。桁を上げた賠償額でも良さそうに思う。

(つづく)