歩いている途中に白木蓮を見つけましたが、もうほとんど花が落ちてしまっていました。
って…
遊びに出ているのではありませんでした(汗)
がっくりと肩を落としてしまった自分に羞恥心を感じながら、必死に斎藤さんの後を追います。
「…雪村」
「はっはい!」
(緊張が走る…)
「花見と称し、浮かれた振りをして暴れる不貞浪士が居るやかもしれぬ。少し遠回りになるが、桜が咲いている辺りに移動する。迷わぬようにな。」
「はい!」
桜と聞いて、自分が浮かれてしまっていました(笑)
「なるほどな…。先に咲いた花はもう最期の時を迎えるのか。雪村は物知りだな。」
「いえ、井上さんから教えていただきました。」
「源さんらしいな。そして雪村はそれを自分の知識の一つにしたのだろう?俺の知らぬ事だった。だから物知りで間違ってはいない。」
「はい。ありがとうございます。」
「ゴホン…我々は花見に来ているわけではない。巡察を続けるぞ。」
「はい!」
斎藤さんの心遣いに、心あたたまる一日となりました。