中らい | 千歳日記

千歳日記

この先にある未来を…

たとえどんな未来でも私は見届けてみせる

最後まで…必ず

気がつけばもう師走が目の前に迫っています。

雑務に忙殺される中、人との交流について悩ましく思う毎日です。

私は私の中で『交流する人』の人数に上限があると思っていました。

誰かに出会えば誰かと別れる…それは世の常。

だから定員に達したら誰かと別れることになるのだと、そう思っていました。

でもそうでは無いらしく…広がる交流の輪に喜びを感じつつ、同時に戸惑いを感じています。





「千歳ちゃん最近忙しそうね。こうやって二人で合うのはどのくらいぶりだろう。」

「お千ちゃんごめんね。お千ちゃんも忙しいのに。」

「ううん、気にしないで。千歳ちゃんの毎日が充実していれば、それが嬉しいから。」

「充実…なのかなぁ」

「なに?なに?良かったら話せる範疇で話してみて。

私はポツリポツリと、自分の心情をお千ちゃんに話しました。

「ふーん。人間関係での悩みか。」

「あまり多くの人と親しく接したことが無いから、なんだか戸惑っちゃって…。」

「人付き合いは永遠の悩みよね~。」

「うん…自分の気持ちが頭の中でこんがらがっちゃって。」

「大丈夫だよ!千歳ちゃんなら。」

「そうかなぁ…」

「悩むのは千歳ちゃんが優しいからだね。でも反りが合わないとかって、やっぱりあるじゃない?」

「そうだね。」

俯く私の肩を、お千ちゃんがポンと軽く叩きました。


「知ってる?反りが合わないって、もともとは刀と鞘のことなんだよ。」

「そうなの?」

「【そり】は刀の刃の峰の反っている部分のこと。この【反り】が刀を収める鞘の形に合っていなかったら、刀を収めることが出来ないでしょ?そこから生まれた言葉なのよ。」

「お千ちゃん物知りだね。」

「お菊の受け売りだよ。」

「そうなんだ。」

二人で顔を見合わせ、ふふっと笑い合いました。

「千歳ちゃんなら大丈夫!大事なことだから二回言ったからね。」

「うん…有難う。自分の歩幅でゆっくり歩いて行ってみる。」

お千ちゃんのおかげで、忙しい師走も無事に駆け抜けて行けそうです。