朝晩はすっかり寒くなりましたね。
よって、お布団と仲良くしたい時間が長くなりました(笑)
また、温かい飲み物が美味しい季節になりましたね。
(夜は寒いなぁ…近藤さんと土方さんに熱いお茶をお持ちしようかな)
勝手場へと向かうと、何やら声が聞こえてきました。
(先客有り…誰だろ?)
勝手場を覗き込むと永倉さんと斎藤さんが鍋を前にして、何か話をしています。
「くー、やっぱり寒い日は熱い甘酒に限るぜ!」
「美味い甘酒ではあるが、本来の甘酒とは…」
「斎藤…固い事を言うなよ。美味い、体があたたまるで一石二鳥だろ?」
「しかしこの甘酒に…を添加するのは…ん?雪村か」
「永倉さん、斎藤さんこんばんは。甘酒を飲んでいるのですか?」
二人は湯のみに白く白濁した液体を流し込み、飲んでいました。
「千歳ちゃん、良い所に来たな!寒いだろ?一緒に甘酒飲んであったまろうぜ!」
永倉さんは甘酒の入った湯のみを私に渡しました。
「あったかい…美味しそう!甘酒大好きです。」
「ちょっと待て雪村!飲むな!」
斎藤さんの忠告を聞き終える前に、私は甘酒を半分くらい飲んでしまいました。
熱いせいか、喉が軽い刺激が走りました。
「わぁ…この甘酒、凄甘くてあったまりますね。体がカッカッしてきました。」
残りを飲み干すと、さらに体は熱くなってきました。
「だろ?俺の特製甘酒は美味いだろ?」
「はい!おいひいで…す」
(あれ呂律が回らない…顔が熱い)
「だから飲むなと言ったのだ!この甘酒は酒粕から作ったものだ。さらに酒が加えられている。飲めぬ雪村に飲ませれば、直ぐに酔が回るだろうが!」
「暑い…し…何だか眠い…」
私は床にぺたりと座り込み、寝転がってみました。
「床が冷たくて気持ちいい…」
「おいおい…もう酔っちまったのか?」
「眠い…れす」
「雪村!こんなところで寝るな!」
永倉さんと斎藤さんが何か喋っていますが上手く理解出来ず…意識は朦朧としてきました。
体がふわりと浮いた感じがしました。
自分以外のあたたかい熱を体に感じます。
軽い揺れがさらに眠気を誘います。
どこかにごろりと転がされた衝撃で、薄く目を開けてみました。

(斎藤さん…?)
額にひやりと冷たいものが触れ、髪や頬をそっと撫でています。
「配慮不足であった。すまない。大量に摂取したわけではない。一晩眠れば明日の朝には酔は冷めるだろう。」
(なんか言ってる…)
「風邪をひかぬよう、布団はしっかりと着て眠れ。」
「は…ひ」
「…おやすみ。」
意識朦朧とする中、私は深い眠りにへと就きました。