甘酒 | 千歳日記

千歳日記

この先にある未来を…

たとえどんな未来でも私は見届けてみせる

最後まで…必ず

文月も半ばを迎えました。

朝晩はすっかり寒くなりましたね。

よって、お布団と仲良くしたい時間が長くなりました(笑)





また、温かい飲み物が美味しい季節になりましたね。

(夜は寒いなぁ…近藤さんと土方さんに熱いお茶をお持ちしようかな)

勝手場へと向かうと、何やら声が聞こえてきました。

(先客有り…誰だろ?)

勝手場を覗き込むと永倉さんと斎藤さんが鍋を前にして、何か話をしています。

「くー、やっぱり寒い日は熱い甘酒に限るぜ!」

「美味い甘酒ではあるが、本来の甘酒とは…」

「斎藤…固い事を言うなよ。美味い、体があたたまるで一石二鳥だろ?」

「しかしこの甘酒に…を添加するのは…ん?雪村か」

「永倉さん、斎藤さんこんばんは。甘酒を飲んでいるのですか?」

二人は湯のみに白く白濁した液体を流し込み、飲んでいました。

「千歳ちゃん、良い所に来たな!寒いだろ?一緒に甘酒飲んであったまろうぜ!」

永倉さんは甘酒の入った湯のみを私に渡しました。

「あったかい…美味しそう!甘酒大好きです。」

「ちょっと待て雪村!飲むな!」

斎藤さんの忠告を聞き終える前に、私は甘酒を半分くらい飲んでしまいました。

熱いせいか、喉が軽い刺激が走りました。

「わぁ…この甘酒、凄甘くてあったまりますね。体がカッカッしてきました。」

残りを飲み干すと、さらに体は熱くなってきました。

「だろ?俺の特製甘酒は美味いだろ?」

「はい!おいひいで…す」

(あれ呂律が回らない…顔が熱い)

「だから飲むなと言ったのだ!この甘酒は酒粕から作ったものだ。さらに酒が加えられている。飲めぬ雪村に飲ませれば、直ぐに酔が回るだろうが!」

「暑い…し…何だか眠い…」

私は床にぺたりと座り込み、寝転がってみました。

「床が冷たくて気持ちいい…」

「おいおい…もう酔っちまったのか?」

「眠い…れす」

「雪村!こんなところで寝るな!」

永倉さんと斎藤さんが何か喋っていますが上手く理解出来ず…意識は朦朧としてきました。





体がふわりと浮いた感じがしました。

自分以外のあたたかい熱を体に感じます。

軽い揺れがさらに眠気を誘います。

どこかにごろりと転がされた衝撃で、薄く目を開けてみました。



(斎藤さん…?)

額にひやりと冷たいものが触れ、髪や頬をそっと撫でています。

「配慮不足であった。すまない。大量に摂取したわけではない。一晩眠れば明日の朝には酔は冷めるだろう。」

(なんか言ってる…)

「風邪をひかぬよう、布団はしっかりと着て眠れ。」

「は…ひ」

「…おやすみ。」

意識朦朧とする中、私は深い眠りにへと就きました。