
一際強く香りを放つ白い花を見つけました。
名前はわかりませんが、甘く青々とした香りが印象的です。
つい足を止めて、写し絵を手に入れました。
沖田さんには「あのね…君をわざわざ市中の巡回に同行させてる意味、ホントにわかってるの?」と嫌味を言われてしまいましたが(溜息)。
ちなみに、花の中では梅の香りが一番好きです。
清涼感のある甘い香りが、春の訪れを告げてくれるから。
(もう朝だ…当番じゃないけど、朝餉の支度の手伝いをしようっと)
勝手場へと向かうお味噌汁の出来上がった匂いがしてきました。
(出来上がってる?出遅れちゃった!)
バタバタと大急ぎで走ると、斎藤さんの厳しい一喝が響きます。

「雪村…静かにしろ」
「申し訳ございません!」
「夜遅くまで巡察に回っていた隊士もいる。ぎりぎりまで寝かしてやれ」
「はい!…あの…お手伝い出来ることはありますか?」
「配膳を頼む。くれぐれも零さぬようにな」
「はい!」
(今日は斎藤さんのお味噌汁か…斎藤さんのお味噌汁美味しいもんね。ふふっ…楽しみ)
日常の中にある香りは、幸せな気持ちにさせてくれますね(微笑)