
久しぶりの日記です。
上手く書けば豚肉が手に入るとか…皆さんのためにもがんばらねば!
日記を書き始めたきっかけは、土方さんから紙と筆をいただいた事でした。
なぜいただいたかというと、近藤さんより土方さんの小姓になってくれと言われ…
要は面倒を見てやってくれと押しつけられたわけです(笑)
その翌日に日記の元となる、紙と筆を渡されました。
仕事が辛いと愚痴を言うならその紙にかけ、俺には一切泣き言を言うな、泣きっ面を見せるなと…
はっ!
私…何回も土方さんの前で何回も泣いたり、愚痴ったりしてる(汗)
この日記の目的が果たされてない(汗)
ふぅ…
お茶とお菓子をお持ちする時に謝ってこよう。
「はぁ?」

部屋に入り声をかけた瞬間、不機嫌な声が副長室に響いた。
「…おめぇが勝手に泣いてるだけだろうが。最初はうんざりしたが今は慣れた。気にすんな」
「はぁ…」
(ちょっと拍子抜けしたかも)
背を向け、筆を走らせたまま、土方さんは言葉を続けた。
「おめぇの日記は、ほそぼそと続いているな」
「書くのは楽しいですから」
「気分転換になっているなら何よりだ」
「はい」
(続ける言葉が見当たらない…変に謝りに来なければ良かったかな)
「今だから言うがな」
「はっはい!」
「お前に紙と筆を渡した事に、特別な理由なんざなかった。とにかく扱いに困っちまったからな。何かする事を与えておけば気も紛れるだろうって…そんなような理由だった」
「すいません、邪魔者で」
「邪魔者なんかじゃねえだろう!」
くるりと振り向いた土方さんの腕が伸びてきて、私は体を硬くしました。
(怒られる?)
目を瞑りじっとしていると、大きな手が私の頭をくしゃりと撫でました。
「半人前だが、おめぇは新選組副長の小姓だろうが。自信持ちやがれ」
心に温かいものがじんわりと広がってきました。
同時に目頭も熱くなって…
「馬鹿野郎!泣くような事か!」
「だって…」
ずっとずっと自分の中途半端な立場に嫌気がさしていた。
それがやっと昇華されたと思えたのです。
「泣いてる暇があれば仕事を手伝え。お茶汲みだけが小姓の仕事じゃねえぞ」
「はい、かんばります!」
ここからは新たな事の始まり。
新しい自分の始まり。
きっとそう。
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