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新年おめでとうございます。
なかなか日記を開く時間がなく、此処を訪れる事も怠けがちです(汗)
しかし心が落ち着いている時や言葉が浮かんだ時は、こうやって言葉を残して行こうと思います。
抱負とは心に掲げた決意の事を言います。
何故この文字に【負】の文字が入っているかご存知ですか?
抱負の負は『負け』を意味するのではなく『負う』、背負う、持つという意味なのです。
何でも知ってる風の偉そうな書き方をしましたが、これは山南さんに教えていただきました。
私の今年の抱負を山南さんに聞いていただきたかったので、それで部屋を訪れた際に何故抱負には【負】の文字が入っているのでしょうと。
だって…せっかく掲げる目標に負けたら…嫌だったから、絶対に負けたくなかったから。
「で、千歳君の今年の抱負は何なのですか?」
「はい。昨年は変化の年だったので、今年はその変化を良いものにして行きたいです!」
「なるほど…変化の年ね…ふむ…」
私の中で起きた変化は、他人の目から見ればきっと何も変わらない。
それでも自分にとっては大きな出来事だった。
「…」
「あの…変…でしたか?」
「何故?」
「山南さん、なんだか含み笑いをしているから」
「あぁ…申し訳ない、つい笑みが漏れてしまいました」
(面白くないと思うけど…)
「雪村君は随分と表情が変わりましたね」
「えっ!私、変な顔していますか?」
「あはははっ…そうではなくて」
山南さんに顔を覗き込まれるように見つめられ、私は体を硬くしました。

「皆に言われませんか?表情が明るくなったと」
「いえ…特には…」
「…此処は節穴が揃い踏みらしいね。私はね、今の千歳君はとても良い状態だと思っていますよ。時には迷う事もあるだろうけど、君は君の信じた道をお行きなさい。どんな結末に至っても後悔のないようにね」
山南さんの言葉は私の心に重く響きました。
その言葉は自分自身にも言い聞かせているように感じたから。
「山南さんは…後悔されていないのですか?」
「ん?何の事だい?」
変若水を口にした事です…喉まで出かかった言葉を私は飲み込みました。
そうだ。
後悔しても後戻り出来ない。
私も山南さんも、お互いに選んだ道を歩き出してしまったのだから。
「はい。私は私の選んだ道を行きます。先が見えなくて不安が多いけど、真っ直ぐに歩いて行きます。困難にぶつかっても乗り越えて見せます。だってそれは自分に必要だから与えられたもので、自分で乗り越えなくては前へは進めないのですから」
「えぇ…」
「あの、一つだけいいですか…」
「何だい?」
「道の先にある分岐点で迷ったら…相談しに来てもいいですか?」
「ふふっ…どうぞ遠慮なく。君よりは随分と長く生きているからね、役に立てると思うよ。でも決断するのは自分だという事は忘れずに」
「はい!」
選んだ道を良いものにするのは自分自身。
選んだ道を悪いものにするのも自分自身。
すべては自分の心次第。
だから空へと掲げよう。
あの誠の旗のように、高く、高く。