忘ずる | 千歳日記

千歳日記

この先にある未来を…

たとえどんな未来でも私は見届けてみせる

最後まで…必ず

先日の夜、この日記を読み返していました。

自分が望んで箱に閉じ込めて、鍵をかけて心の奥底に沈めた忌まわしい記憶を、すっかり忘れてしまっていた事に気がつきました。

あの時の事を忘れてしまおう…それを望んだのは自分。

でも、その時にここを立ち去ったあの人の事を、私は忘れたくはなかった。

だから後悔しました。自分を責めました。

でも私を咎めてくれる人は、私の側には誰一人いないのです。





苦しい想いを胸に抱いたまま目を閉じ、眠りながらゆっくりと記憶を解いて行きました。

あの時苦しいほど感じた憎悪は、もう思い出す事も感じる事も出来ませんでした。

でも、あの人が私にかけてくれた言葉は…まだ心の片隅に残っていました。

交わした言葉、他愛のない会話、些細な事で私を褒めてくれた事も、あの人がどんな人だったのか、どんなに真っ直ぐな人だったのかも…

ここではもう知る人は一人もいないとしても、私はまだ覚えています。





あの時、私はあの人のように真っ直ぐに生きようと決めた。

あの時、私もあの人のように己の誠を最後まで貫こうと決めた。

だからあの時、私はここから逃げ出さないと決めた。

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いつの日かあの人とすれ違った時、恥じない自分でいられるように。

だからこの誓いは、けして忘れてはいけないのです。