先日の巡察に同行させていただいた時にきんかんを見つけました。
きんかんは『金柑』又は『金冠』とも書き、縁起の良い食べ物なんです。
金柑は『甘煮』や煮詰めて『じゃむ』という保存食にしたりしますね。
蜜柑とは違った甘さと爽やかな風味がとても美味しい果物です。
数年前から糖度が非常に高い品種が出回っていますから、やはり丸かじりが一番だと思います。
南の国から非常に糖度の高いきんかんが流通され始めた頃、生の金柑をもらった事があります。
甘煮以外の食べ方を知らなかったので、『そのまま齧れ』と言われた時は半信半疑でした。
名前もなんだかふざけた感じだし…名前も食べ方も嘘なんじゃないかと、正直言ってそう思いました。
怪訝な顔で金柑を眺める私にさらに一言。
『種の周りは酸っぱいから、絶対に食べるな。口から出せ。』
(えぇ~、胡散臭い名前の上に面倒な食べ方するんだ。この金柑…)
さらに金柑をいぶかしんだ顔で眺めていると、その人は私が金柑の種を飲み込まないようにじろじろと監視し始めたので(苦笑)、とても恥ずかしくなり誰もいない部屋でこっそり齧りつきました。
甘い味が口の中に一気に広がりました。
食べるなと言われた種の周りですが、言われた通りちゃんと種の周りだけ残して捨てました。
その人は私が意地汚く種ごと食べると思ったのか、後で『種の周りは食べなかったのか?ちゃんと吐き出したのか?』としつこく問いただされました。
失礼ですね(むぅ…)
最近流通している金柑は、種以外全て美味しく食べられるようです。
あれからさらに、品種改良がなされたのでしょうね。
【金柑頭】という言葉があるようです。
金柑の形状から連想されるもの。
『金』という光る印象から連想されるもの。
なんだと思います?
はげ頭の事です(笑)
………
金柑を見ていたら、なんだか父様に会いたくなってきました。