バス集中監査 痛し痒し? | 天守閣から、こんにちは!

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「株式会社チエル」社長が、業務 のこと、北海道観光のこと、日々のことを綴ります。

今朝の新聞記事によると、北海道運輸局が、外国人

ツアー客の取扱いが多い貸切バス事業者を対象に、

・安全対策をしっかり講じているか

・貸切運賃を適正に受け取っているか

を主眼として集中監査を行う方針のようです。

結論からいえば、たいへん結構なことです。




昨年から、

・安全対策への投資をしっかりやるように

・乗務員の処遇改善に取り組むように

ということで貸切バスについて新運賃制度が導入され、

今年4月から本格実施となりました

不当に運賃を割り引くダンピングを防止するためです。


ですが、道内では昨年以降、シンガポールや台湾とい

ったアジアからの外国人客を乗せたバスが高速道路

エンジンを焼いたり、道路外に飛び出したり、正面

衝突事故を起こしたりと、残念ながら事故が多発して

ます。



             大丈夫かな?


もちろん、円安などを背景に道内を訪れる外国人観光

客が飛躍的に増えていることも、こうした事故が多

る要因にもなっているわけですが、(同業他社のことを

あれこれ言うのは本来タブーではあるものの)、

貸切バス事業の信用問題にもかかわっているだけに、

「安全管理、労務管理、運賃の適正収受をしっかりや

ているのかな?」というのが偽らざる心境です。


小泉政権による規制緩和で、道内の貸切バス事業者

は倍増。外国人観光客をターゲットに事業免許を取得

したところが多いと聞いています。

ですが、外国の旅行会社が相手であるだけに、運賃を

適正に受け取れない(それじゃあ仕事をらえない)と

いう例があるのも公然の事実。


ですから、運輸行政当局には、乗客の安全確保や運

の処遇改善のためにも、監査・調査をしっかりお

願いする次第です。


その一方で、高橋北海道知事は“外国人観光客300

人プロジェクト”を推進しようとしています。

運輸行政を所管する国土交通省は、観光行政も担当。


外国人ツアー客相手のバス事業者への監査を強化し

“問題業者”が多く出れば、観光客の足をどう確保

ていくか、観光客誘致にブレーキがかかりはしないか

という別の問題にも発展しかねません。


この辺はまさに“痛し痒し”ですね(苦笑)。



高くつきそう!食べるべきか、遠慮すべきか?


                       【中 村 敬 臣】