日本の“品格” (その3) | 天守閣から、こんにちは!

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「株式会社チエル」社長が、業務 のこと、北海道観光のこと、日々のことを綴ります。

数学者であり理学者でもある藤原正彦氏の

講演

日本のこれから、日本人のこれから」の

様をご紹介します。最終回です。


藤原氏は日本の芸術文化の伝統や、日本人

がもつ「惻隠(そくいん)の情」、つまり他

人を思いやる心情の素晴らしさを盛んに語る

一方、小泉改革に見られるように、アメリカ

ったりのマネー競争や規制緩和政策を厳し

批判します。

       松下村塾(山口県萩市)

かくすれば かくなるものと

     知りながら

       やむにやまれぬ大和魂

 吉田松陰は、開国の必要性は認識して

いたものの、外国かぶれにならないこと

や、日本の伝統文化を守ることの大事さ

を教えていました。


今の政権はTPP交渉を強引に進めようとし

ていますが、そのメリットを明快に説明でき

る政治家なんて1人もいません。

私も、TPPで一番打撃を受けるのは農業王

北海道で、産業も食文化も、ひいては観光

業も大打撃を受け壊滅すると確信してい

ます。

日本を食い物にして自国の経済の生き残り

か考えない国(どこの国かは分かると思い

すが)の罠にはまってはいけません。


最後に藤原氏は「日本人は正直すぎる民
だから人を騙すことに平気な金融大国に

はなれない。美的感受性を持つ日本(日本

人)は、やはり製造大国を目指すべきであ

る」と。

また、最近は“○○ホールディングス”とい

た持株会社が乱立し、株主至上主義

はびこっているが、会社は従業員のもので

あり、経営陣のものであるとも述べておられ

ます。

当たり前のことですが、日本人の感覚が少し

ずつズレてきていることも事実です。


藤原氏の講演は、時間の過ぎるのを忘れる

ほど素晴しいお話でしたので、その内容を

そのまま「右から左へ」のような形でご紹介

させてだきました。

            【中 村 敬 臣】