最も気を付けなければならず、最も恐れるのは事故です。
JR北海道の列車事故が相次いでいますね。
よくこれだけ続くものだなと思いますが、事故というか、よくな
いことは不思議と続くもので、我々の業界でも「小さな事故が
続くときは気を付けろ。そのうちドカンと大きな事故がやってく
る前触れだ」というのが戒めの言葉となっています。
膨大な借金を抱え、労使関係も不健全だった国鉄が1987年
に分割民営化されてから4分の1世紀が経ちました。
大量の人員を整理したうえ、コスト削減と収益増を目的にJRが
スタートしたわけですが、その過程の中で優秀な人材が流出し
たり、民間委託化が進む状況を見て、「車両も人員も大丈夫な
んだろうか?事故が心配」という声があったのを記憶しています。
特に長大な路線を抱えて多額の保線費や除雪費がかかり、採
算のよくないJR北海道の行く末が心配されていた中での、昨今
の事故・トラブル続きです。
新聞報道などによりますと、現場からは
「なぜミスが起きたか、現場と意思疎通を図りながら原因を探る
姿勢が見られない」
「事故は現場で起きているのだから、会議室で上からの目線で
解決策を探してもダメだ」
といった不満の声が出ているそうです。
旧国鉄以来の“縦割り”、“横割り”構造が根強く残っていて、そ
れが災いしていると。
現場の人たちは、事故防止に懸命なのだと思いますが、「役員
や幹部はもっと現場に足を運んで声を聞くべきだ」という内部の
警笛をどう受け止めるか。
我々バス業界に生きる者も、JR北海道の事故・トラブルや体質
を“対岸の火事”と見るのか、“他山の石”と見るのか。
とりわけ、経営者の姿勢と覚悟が問われている気がします。

↑ 旧国鉄広尾線の《幸福駅》 この建物もなくなるそうです。
※弊社の長尾幸哉運転手 撮影