4月28日に日本の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が
開かれました。
戦後生まれの世代、特に若い人の中には、「何のこと?」と思われ
る人も多いことでしょう。
1945年(昭和20年)に日本が戦争で敗れ、アメリカなどの連合国
に占領されましたが、1952年の4月28日、サンフランシスコ講和
条約によって占領から脱し、日本が主権を回復した日を記念して開
かれたものです。
関係ないですが、1952年は私が誕生した年でもあります。
ただ、沖縄や奄美、小笠原は日本から切り離されてアメリカの統治
下に置かれたままだったことから、沖縄県民が「屈辱の日」として
この主権回復式典に抗議した心情は十分に分かるような気がしま
す。
私が椅子から転げ落ちそうになったのは、この式典が開かれた4月
28日の翌日、朝日新聞の社説「過ちを総括してこそ」という記事を読
んだときです。そのまま紹介しますと、
「4.28を語る際、忘れてはならない視点がある。なぜ日本が占領さ
れるに至ったのかということだ。
言うまでもなく、日本が侵略戦争や植民地支配の過ちを犯し、その末
に敗戦を迎えたという歴史である。
そのことを忘れ、占領期を「屈辱の歴史」のようにとらえるとしたら、見
当違いもはなはだしい。」
あれ? あの太平洋戦争中に軍と一体となって戦争を賛美するような
記事を書き、多くの犠牲者を出させた新聞はどこでしたっけ?
いくら新聞も大本営発表に追随せざるを得ない状況があったとして
も、そのときの反省はほっといて、今の政権を責めたてる資格があ
るのでしょうかね?
朝日も過ちを総括して、社説に「朝日が大本営に“占領”されていた
時期を“屈辱の歴史”ととらえなければならない」と書いたなら分かり
ますが・・・
会社経営に失敗した社長が社員に向かって「なぜ我が社がこのような
事態に陥ってしまったのか。あなたがたが金もうけに走って変な相手と
取り引きしたり、他社を中傷して社会的信用を失ったからだ」と言った
としたらどうでしょう?
社員は「それはそうかも知れないけど、自分のことを棚に上げるんじゃ
なく、経営者としての責任はどうなんだ?」と問うことでしょう。