高校受験や大学受験が近づいてきました。


最近は推薦制度やAO入試など、様々な形態の試験がありますが、必要な教科、科目を勉強して、入学試験に挑むことは生徒の成長にとって非常に有益です。


入試については、子供たちを競争に駆り立て、勝ち負けを宣告する残酷なものであるというような意見もあるのですが、私はそうは思いません。


受験は知力や学力だけで勝負させるものであるから、偏った能力しか測れないという意見もありますが、私は、それこそが偏った見方であると思います。


実際に受験を経験してみると、その期間をうまく乗り切り、その機会をうまく使うことによって、子供たちが非常に大きく成長していく姿を見ることができます。


試験だけをみれば、一発勝負に見えますが、そこに至る過程で、実に様々な能力や努力や、他人の協力が必要であることも事実なのです。


健康や、体力や、メンタルコントロール、家庭や友人の協力、そして何よりも本人の継続的努力。


様々なものが総合的に問われるのが入試なのです。


結果が全てなのかといえば、そうとも言えず、試験に落ちても、また別の道を歩むことができますし、そこでいい結果が出たとしても、その先の人生までが保証されているわけでもありません。


入試は自分を磨くためのまれな機会なのです。


そしてそこで磨かれた子供たちは、どのような結果が出たとしても、また次のチャレンジへと向かうことができます。


入試に関しては結果を得ることで自信をつけることができますが、たとえ失敗しても、そこに至る過程で、既に大切なものを得ているのです。


長い人生を考えると、私たちが合格、不合格やあるいは成功や失敗という結果に見えしものが、実は単なる途中経過を示すだけのものにすぎず、自分の目標や理想に近づくために懸命に努力したプロセスこそが、人生の大いなる結果なのだということを、子供たちには教えなければなりません。


価値ある人生を生きるということは、目標や理想に至る過程をどのように過ごし、どのような心境で生きたのか、それにこそ依存するわけです。


受験は人生を左右する大きな勝負ごとですが、その道具をいかに自分の人生を豊かにするために利用するのか、ということこそが、実は受験を乗り越えるための最大の秘訣なのです。


結果を真剣に追い求めるが、結果主義にならず、また、プロセスを真剣に努力しつつも、結果に関して謙虚に受け止め、さらに先に進んでいく。


「受験に勝つ」とは、そのようなことをいうのだと思います。