中学校に入ることになると、家族との関係よりも学校での友人関係がその子の行動や考え方を支配するようになってきます。


親の介入を嫌がり、自立するための準備の時期です。


しかし、この時期に一緒にいる友人を間違えると、どんどん悪い方へと引っ張られてしまうのです。


本人は、気が小さい、あるいは非常に人のいい善人であっても、悪い友達と一緒にいることで罪悪感が薄れ、勤勉に努力することから背を向けるようにもなります。


実はこの時期こそ、友人は選ばなければならないのです。


ただ、子供はそのような考え方がなかなかできません。


友達と一緒にいること(これは孤独になりたくない、あるいは孤独だと思われたくないという場合も含めて)そのものはその子にとっては、一つの大切な居場所だからです。


そして、その居場所に、親が入り込むことを嫌がるのです。


ただ、親としてはその部分はきちんと見ておかなければなりません。


いわゆる非行というものは、決して一人や個人だけの力で引き起こされるわけではないからです。


友人関係がその温床なのです。


その部分の善悪をしっかりと見極めなければならないのですが、子供自身にそれを期待することが難しいがゆえに、教師や保護者の協力が必要になります。


子供たちが自立していくうえで、友人関係は必要なものですが、いつも一緒にいる仲間は、選ばなければならないという面をしっかりと教えなければなりません。


子供たちは理屈で理解できても、現実の人間関係では距離をとったり、友人を突き放したりできないでしょう。


しかし、それでも大人は、その友達と一緒にいて、その子が成長しているかどうか、向上しているかどうか、それだけは見極めたうえで、必要なアドバイスをしなければなりません。


それが大人の役割なのです。