近所の整形外科から絶対にそこに行くように
と予約を取ってもらってT大学病院へ向かった
のは1月後半でした
紹介されたT先生
ここから長い長いおつき合いになります
江戸っ子っぽい、シャキシャキした感じで
とても気さくな先生です
「良性が悪性かは生検手術をしないとなん
とも言えないけど、20%悪性の可能性が
あります」
20%なら、きっと大丈夫だろう
良性に違いない
自分に限って悪性腫瘍なんてできるわけがない
妙な自信を持っていました
悪性なら可能な限り早く切除手術
良性なら子供の成長などのタイミングをみて
いつでも手術可能と聞いて、じゃあそんなに
慌てることもないと勝手に思っていました
「2月の20日ごろに生検出来るよ」
先生に言われましたが、家族の予定があっ
たので、その次の空いている日程を希望して
しまいました
3月に入って直ぐに入院して生検手術を受け
ました
目が覚めた時、ベッドサイドには眠って
しまった息子を抱っこした主人
「良性だったんでしょ?」と聞く私に
「うん、そうだったよ」と答える主人
でも明らかに表情が暗い
その時、看護師さんたちがきて、先生が説明
しますからと、ベッドごと移動して処置室へ
「いや〜、20%の方だったよ
ごめんねー」
え、何言ってるんだろう?意味がわからない
眠った息子を抱っこした主人は見たことない
ような辛そうな顔をしています
先生は瓶の中に入ったものを私に見せました
「切った瞬間に悪性だってわかったよ
ちゃんとアルコール処置して縫って
閉じたから
準備して手術の予約を入れよう」
先生の話になかなかついていけず、混乱し
たまま息子を見つめました
ちょうど目を覚ました息子
「ジュースでも飲むかい?何か買っておいで」
先生が息子に話しかけます
私は言葉が出ず、ただただ3人のことを見つめ
ていました