夢千代日記 -3ページ目

「 おめでとう」 の一言

 11月23日は、親父の誕生日だった。生きていたら、95歳になっていた。昨年12月30日に旅立ってから、もうすぐ1年。

 この日は、朝から家族でお墓参りに行ってきた。


 昨年11月に救急車で運ばれるまで、自転車に乗り、俳句や囲碁などもやっていたぐらいとても元気だったので、まさか旅立つなんて思ってもみなかった。


 昨年の誕生日は、運ばれた病院に迎え、看護師さんが「千代さん、今日94歳のお誕生日ですね。おめでとうございます。」言ってくれたようだ。


 中学生ぐらいから、ろくに口も聞かない関係だったので、自分の記憶の中では、親父から誕生日おめでとうと言ってもらったこともないし、また自分も親父に、そのような言葉をかけたこともなかった。


 ほんと、つまらない意地を張り、かけ間違えたボタンのまま何年も過ぎ、ろくに親孝行してあげることなく他界した親父には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


 亡くなったあと言ってみてもしょうがないが、この日は、素直に「親父95歳の誕生日おめでとう」と言えることが出来た。

 こんな些細な言葉をかけれなかった…。ほんと馬鹿な息子だと思う。


今頃は、るんだとガメラとアクセルにオヤツでもあげて遊んでいるだろう。