発表会の袖で、娘がトウシューズの紐を結び直しています。本番前、誰に促されたわけでもなく、自分で確かめるように何度も結び直す姿を、私はいつも少し離れた場所から見ていました。

 

この習慣がいつ始まったのか、遡ると一枚の記憶に行き着きます。

 

4歳のある日、テレビに映ったバレリーナを見て、娘が「行ってみたい」と言いました。それまで何かに夢中になるタイプの子ではなかったので、私は正直、少し驚きました。迷いのない、はっきりした言い方でした。

 

あのとき私は、その一言をどこまで本気で受け止めていたでしょうか。子どもの思いつきかもしれない、と半分くらいは思っていた気がします。

 

結び直された紐の先に、あの日の一言があったのだと思うと、何気ない瞬間ほど後から大きな意味を持つものなのだと感じます。

 

始まりの記録を、上にまとめています。

 

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