※ラノベ乙



ノアニールのお泊まりの翌朝
勇者様が不機嫌になったのは言うまでも無く

「カンダタぶっ殺す!」

ここは流石、勇者様
私に対しての欲求不満は
カンダタへの敵意に転換してくれているけど

う~ん

ちょっと可哀想な事をしたかなぁ?

別に、私だって年頃ですもの
勇者様みたいな下心が全く無いって言ったらウソだけど

う~ん

まだ勇者様って
そんな対象に見れないなぁ



まだ16になったばかりの少年

そうはいっても
流石、アリアハンの勇者
オルテガ様の息子

日に日にその片鱗を見せていて

ノアニールの一件も
私ひとりでは解決出来なかったと思う



でも



「リリア、スクルトを!」
「はいっ!!」

まだ、ちょっと私をアテにしているとこもある

「勇者様、大丈夫ですか?」
「ああ、まだ……ごめんMP切れた」
「もうっ、無理するから~っ」

私はまだ余力充分のMPで
勇者様にホイミを唱える



仕方ないと言えば仕方ない事
私は盗賊のキャリアと
賢者である時点で
普通の職業の人間から比べて
3人分の働きが出来る

私の方が強いのは当然

それをまだ未熟な勇者様に求めるのは
無理って話……なんだけど



う~ん



そういう意味
私も欲求不満なのかも



「勇者様、どうします?」
「ん?」
「今日は村に戻りましょうよ、このままカンダタのところには行けないですし」
「そうだな……MP切れじゃ無理だよな」

私は覚えたてのルーラを唱え
ノアニールに戻った



「ノアニール?」
「はい、ノアニールですよっ」

勇者様はキョトンとした顔で
私を見た

あっ……ノアニールに来ちゃった

う~ん、やっぱり
私も欲求不満なのね

来てしまったなら仕方ない

「サービスですよっ」



私たちは昨日泊まった部屋に
再び泊まる事にした

勇者様はそれでも
不機嫌だ

「ど~せ、ラリホーってしたりするんだろ?」

ああ、拗ねてるんだ

「だって、昨日の勇者様の邪っぷりな目は、身の危険を感じますよぉ」
「で、今日もラリホーすりゃ問題無いからこっちに来たんだろ?」

う~ん、確かにそうね

言われるまで
気付かなかった

しかし勇者様の拗ねっぷりも
ちょっと可愛い

こういうところ
母性本能をくすぐる



どうしよっかな?



私にも
ちょっと邪な考えが出てくる

からかうのは可哀想だから
今日はやめておくにしても

ただラリホーで寝かせてしまうのも
なんか勿体無い気もする



う~ん



「ラリホーっ」

ダメね
身の安全面はちゃんと確保しなきゃ

私は勇者様を強引に寝かせて



うむ



「添い寝しちゃおっ」



これなら文句あるまいっ