サオリ君、キングさん、そしてアタシとレン君
しばらく4人でクエDをプレイする

アタシの隣のサテライトにはレン君が座っていて
ついついチラ見してしまう

レン君はビジュアル的なとこ、結構クールな感じ
普段は近視眼鏡をかけているのだけど
ゲームをプレイする時は目の疲労を抑えてか眼鏡をかけないクセがある

見えるの?って思うけど、アーケードの筐体モニターは大抵、視点から近いところにある
読書するくらいの距離なら裸眼で平気なんだとか

それでも時折、目を細めて視点の調整をしている
その顔がなんとも……

萌える

「マユ、オマエ、ニヤニヤし過ぎ」
「いいじゃん、減るモンじゃないんだから」
「ちゃんとプレイしろよ、さっきからプレイが雑だぞ」

……確かに、かなり被ダメが増えていた

レン君は司教を使っている為か、パーティーの状態によく気が回る
そうでなくても、いわゆる脳が鍛えられている人種なので
プレイ以外の面でも同時にアレコレと気が回るヤツな訳だ

……もちろん余計なお世話って事も多々ある
早い話、融通は利かないヤツだ



2プレイくらいして、レン君は休憩に入った

「えっ?もう休憩?」
「……今日は無理、疲れた」

……まぁ、そりゃ、急な話の後だもの

「じゃ、アタシも休憩!」

キングさんがオッサン丸出しでニヤニヤしている

「2人とも御休憩かい?」
「……はいはい、御休憩コースで1本ですよ」

案の定セクハラだ
アタシ達は互いにタバコを1本取り出した
いくら付き合う事をオープンでも
初日からそういう方向は……

つい、タバコに火を着けず考えてしまう

「……何考えてんだよ、みんなの前でこれからヤッてきますとか言う気か?」
「……ナシ?」

頭を叩かれた

「痛っ!」
「アホかオマエは」
「いいじゃん別に考えるくらい!付き合ってんだからっ!」

いや、レン君の方が正しい体裁だと思うけど

「まぁまぁ、ボクは気にしないよぉ、どうぞどうぞ、ヤッちゃって下さいな」

キングさんは笑いながらアタシ達をひやかす

「……ああ、やっぱナシかも」

この状況、さすがに気まずい
確かにナシって言えばナシな話なんだけど

なんでまたそんな考えに至ったかな……



結局この日、アタシ達は別々のタイミングで帰宅
レン君が気を遣って先に帰ったって感じだけど

『ガタンゴトン』

……アタシ欲求不満?

別に経験が無い訳じゃないから、そこまでドギマギはしないんだけど
なんか変な感覚だ

前にカレシがいたのっていつだ?

……忘れた

確かにご無沙汰ではある
でも、そんなにアタシは抑え込んでいた覚えはない

ヲタの世界にゃ妄想という文化があるし
そういう方面は自分なりに解消出来るタイプの……

ああ、アタシは基本的にエロいのかも

……でもなぁ



家に着いて部屋着に着替えると
レン君からメールが来た


From:レン
Sub:無題
今何してる?


一行かよ、しかも無題だし
アイツらしいけど……


To:レン
Sub:帰ったとこよ
悶々としてるから
これからオナニーして
寝ようかと思ってたとこハート


フフン、からかってやる

しばらくして
またレン君からメールが来た


From:レン
Sub:Re:帰ったとこよ
オカズにされるのは
勘弁だな


思わずニヤけてしまう
アタシはベッドへ横になり、しばらくメールに夢中になる

こういうカレシとの他愛ないメールは大好きだ

冗談やらアタシのくだらない話に対して、レン君の反応がくすぐったい


From:レン
Sub:話変わる
今日は何て言うか、
全然サービス出来なくて
悪かったな
とりあえず、電話くれ


「にゃふふ!」

アタシはベッドの上を転げた
いわゆるムッハーな感じだ

「やべっ、ヨダレ……」

でも、どうしよう
アタシあまり甘い言葉に耐性が無い

……ドキドキ



ケータイを持つ手が汗ばんでいる

『着信音』

「なあっ!」

レン君から電話がかかってきた



「メール苦手だから」
「あ、ゴメン!」
「電話で平気か?」
「うん、通話料次第」

……通話料言うかアタシ!

「じゃ、手短にする」

……えーん、失敗

「次の休みいつだ?」
「えっ?」

こ、これはもしや

「ホームじゃ大してサービス出来ないからな、どっか行くかと」
「にゃぁぁああ!!デート?デート!?」
「……まぁ、そんなとこだ、ていうかオマエ、はしゃぎ過ぎ」

……うむ、ていうか浮かれ過ぎたか

「で、どっか行きたいとこあるか?」

行きたいとこ……
しまった、全然考えてなかった
今日のアレコレじゃ、ラブホくらいしか思いつかない!
……どうしよう!?

「……マユ、聞いてるか?」
「うん、聞いてる聞いてる!」
「……で、ご希望は?」

やべぇ、頭真っ白だ

「うーん……」
「……おいおい、無いのかよ?」
「あるわよ!」

と、言っても他にはゲーセンくらいしか出てこないよぉ……

「え、と……ゲーセン?」
「言うと思った」

……敗北
いくら女の子ブランクがあるからとはいえ、何かあるだろアタシ!

「解った、オレの質問が悪かった……じゃ、とりあえずどんなサービスを受けたい?」



……それだ!
今日アタシが感じてたのはその感覚だ!

「そうよ!それよ!……アタシは何もエッチがしたかった訳じゃないんだよ、付き合ったってのにサービスゼロなんだよ!」
「……そりゃそうだろゲーセンじゃ、ていうか、オマエまだそんな事考えてたのか?」

……墓穴

「だってぇ……やっぱりまだ好かれている実感が無いんだもん!」
「……まぁ、そうだろうな、ゲーセンで遊んでただけだし」

アタシはこんな事で悶々としていたのか……

「で、オレは何をすりゃオマエは実感出来るんだ?」
「……うーん」

なんか面倒になってきた
ていうか、もう少しリードしてくれよ

「あー、もう、何か考えんのめんどくさい!」
「……投げやがった」
「もう、いいや、とりあえずエッチしよ、オトナなんだからそれで感じよう!」



……失言、かな?
レン君が何も言ってこない

「もしもし?レン君?」
「……ああ、呆れてたとこだ」

……やっぱり失言か

「オマエ、その発想はガキの発想だぞ?オトナなら他に何かあるだろ?」
「だって……イヤ?」
「オレも男だからイヤじゃないけど……オマエはムード否定か?」
「……むしろ女の子を否定」
「ああ、解った解った、オレも面倒だ、じゃ次の休みな!」



キレられて電話も切れた

……えーん
前途多難
やっぱりアタシ欲求不満みたいだ



そんな感じで
アタシとレン君は
ヤッてきます



ゲームをプレイと言う様に、エッチも様々にプレイと呼ばれる
世の中には色々なゲームがある上に、コイツはプレイと言う
不思議なもんだ

……と、ゲームライフ的な概論はともかく

当日があっというまに来てしまった
目的地はいつも通っているゲーセンとは線路跨いで反対側
……学生時代に使った事があるリーズナブルな部屋だ

待ち合わせ
午前10時、駅前

……アイツ、こんな早くから
なまじヤケにも思える

時間的には朝イチゲーセンと変わらない

そう、行く場所が違うだけだ

「……オマエ、早いな」

レン君が来た
……20分前に

「うるさい!丁度いい電車が無かったんだ!」

ぶっちゃけ恥ずかしい
ラブホに行くのにカレシより待ち合わせに早く到着とか
いくらアタシが誘ったって話でも、顔から火が出る

そんなとこをだ
誰かに見られた日にゃ……

「あ、マユさん、レンさん」

サオリ君に遭遇してしまった……最悪だ

「早いんすね?ガンダムVSガンダムで?」

……?
しまった、今日はホームで新作の導入される日だった!

「……えーと」
「買い物」

アタシがまごまごしていると、レン君がフォローしてくれた

「そう、買い物!」

ナイスフォロー!

「あ、ショッピングデートっすね、ていうか時間ヤバい……間に合うかな」

サオリ君は開店からプレイな予定らしい
新作が出る時ってのはそんなプレイヤーも多い
この時間だと……ギリギリかな?

早々にサオリ君はホームのゲーセンに駆けて行った

……ていうかアタシも行きたい

レン君を見る

「行きたいならどうぞ」

……目が恐い

曲がりなりにもアタシが希望したデート
そりゃ、ここでゲーセンに向かうのはルール違反だわ

……くそぅ
日にちを間違えた



こうなりゃ元を取ってやる!

アタシはこういうとこポジティブだと思う
タダじゃ死なないタイプだ

ガツガツするのもどうかと思うけど
ラブホに直行した



以前来たのは……とか思い出すのは失礼か
でも、なんとなしに新しく改装されていた

「おお、ルームキーが自販機タイプになってる!」

受付の人とコミュニケーションはやはり気まずい
なんかイヤなのよね
あの手だけが出てキーを出されるの

「……オマエ、常連か?」
「……いや、昔」

しまった、こっちのが気まずい

ともあれアタシ達は部屋に入った



さて、18禁な展開には意外とならないラブホ事情

設備がやっぱり気になって仕方ない

ていうか、部屋入っていきなりとか
アメリカ映画なノリって逆にあるのかな?

レン君は入るなり……

「……Wiiだ」

ゲーム機発見
……嫌な罠だ

「レン君!」
「……解ってるよ、でもWiiだぞ?」
「……やめい、それ以上言うとアタシが負ける!」

酷い罠だ

ラブホのゲーム機は恐い
アタシもまだラブホ慣れせずに、はしゃいでいた頃
ついついゲームに夢中になり……延長

……苦い思い出だ

今日はサービスタイム利用だから時間に余裕はあるけど、負けれる自信がある



……こんな時は
さっさとシャワーを浴びてしまおう

「……さて」
「先に行け」

……考えている事は同じらしい
シャワーを浴びている隙にWiiで遊ぶ気だ

「一発勝負でいいわね?」
「フン……オレに勝てた試しがあるのか?」



ジャンケン



ポン



「さっさと行け」
「……えーん!」

……こうなったら、道連れにしてやるか

アタシはレン君の前で脱ぎ始め……



頭を叩かれた

「鬼畜!」
「何とでも言え」



……くそぅ
アタシにもう少し色気があれば
……そもそもゲームしない人生があるか

ちょいと鏡でカラダを確認……

自信はある

身長が気持ち高いだけだ
出るとこ出て
出なくていいとこは
まあまあ



……勝算アリ?
仕掛けてみるかな?

「レンくーん、一緒に入るーぅ?」

浴室のドアから半身を出し、脚線美で勝負だ!

ダメだ返事が無い

「後で覚えてろよ!コンチクショー!」

アタシは結局ゴシゴシとカラダを洗うのだった……



シャワーから出て
バスタオルをカラダに巻く

部屋では案の定レン君がWiiで遊んでいた

「しかも、スマブラかよ!?」

割と熱中している

「……コラ!さっさと交代しろ!」
「……あ、悪い悪い」

レン君はコントローラーをアタシに渡す
……が、ちょっと様子がおかしい

「……なによ?」
「……いや、つい忘れてた」
「なにを?」

レン君の顔が近づく



「目、つむれよ」



キスされた



「……」
「順序っていうか、礼儀的にはこうだよな?」

そう言ってレン君はシャワーに向かって行った

アタシは急にドキドキしてしまい
多分顔は真っ赤だ

……頭は真っ白で

手に持つコントローラーで遊ぶとかは出来なく



……えーん!
ドキドキしてスマブラで遊べないよぉ!



いわゆる、ズルいアンチクショーな感じだ



……つづくよ