胸部内臓の解剖 | 扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

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身近で関心は高いのに複雑・難解と思われがちな日本の医療、ここでは、医療制度・外科的治療などを含め、わかりやすく解説するブログです。

胸部のしくみ
胸部は首と腹部に挟まれた、脊椎より前方に位置している。肩から、背中側のだい12胸椎間での範囲、腹側でいうと、みぞおちの辺りを押さえて硬い胸骨の下端と軟らかいみぞおちの間が胸部と腹部の境い目にあたる。
胸部には肺、心臓、胸腺など生命維持に重要な役割を担った内臓器官があり、胸骨、肋骨、胸椎の骨格で保護されている。その空間は胸腔と呼ばれる。
背部から胸部を取り込みカーブする肋骨は12対。それぞれが椎骨とつながっている。体の前側では肋骨の上部7対が軟骨で胸骨とつながっている。8-10番目の肋骨は、それぞれひとつ上方の肋骨の軟骨と連結していて、11,12番目は他の肋骨より短く前面でつながっており、浮遊肋と呼ばれる。
肺は胸腔の左右に位置しており、間に縦隔という空間がある。縦隔の前方は胸骨、後方は脊柱、下方は横隔膜で区切られている。縦隔は、左右の肺をそれぞれ独立して機能させている。万一、片方の肺が障害を受けつぶされて機能を失っても、もう片方が機能を保って働くしくみだ。
また、縦隔には心臓、胸腺、リンパ節、大動脈、大静脈、気管、食道、神経系の一部がある。

胸部の臓器を守る骨格
胸骨柄、胸骨体、剣状突起の3部分に分かれる。縦に癒合した胸骨と、12個の胸椎からなる脊柱を支えるようにして、その間に12対の肋骨と肋軟骨が、内臓を囲むかごのように形成されている。

胸部の断面
左右の乳首を結んだ水平線で輪切りにした胸部。胸骨と胸椎、左右の肺にはさまれた部分を縦隔といい、気管や食道、リンパ管、大動脈などがある。
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