永久的止血法…永久的止血法は手術器具を使って、厳重な消毒を施した上で行う。手術的止血法ともいう。
止血法とは
負傷や疾病等で出血したときに、血液の流出を防ぐのが止血法である。全血量の1/3にあたる約1,500mlを失血すると命に関わり、出血量が多いとショック状態に陥る。特に多量の失血が予想される動脈出血では、止血はできるだけ早く行う必要がある。
また各種手術においても、出血のコントロールは、術後の回復を左右する重要なポイントである。止血には一時的止血と永久止血法がある。
一時的止血法
一時的止血法は緊急時に行われる応急止血法で、圧迫法、指圧法、緊縛法、タンポン法がある。
【圧迫法】出血部は清潔なガーゼや布で直接圧迫する方法。
【止血法】出血部より心臓に近い側の太い動脈を指で強く圧迫する方法。
【緊縛法】四肢の大出血に、出血部より心臓側で四肢を緊縛する方法、使用するヒモやゴムは帯状に太いものを使用する。長時間しばり続けていると、神経麻痺や末梢組織壊死を起こす危険があるので、30分ごとに緊縛をゆるめる必要がある。
【タンポン法】出血部の傷が深く、圧迫での止血が難しい場合に、傷にガーゼ等を固くつめて止血する方法。
永久止血法
手術器具を使って、厳重な消毒を施したうえで行う止血法である。手術的止血法ともいわれる。結紮法、血管縫合法、焼灼法のほか止血薬を使用することがある。
【結紮法】コッヘルなどの止血鉗子を使い、出血している血管をはさんで、縫合糸で結紮止血する方法。血管だけの処置で止血できない場合は、周囲の組織を一緒に縫い、結紮する集束結紮を行う。
頭皮や筋肉のような硬い組織の止血には、血管の断端を鉗子でつまんだ状態でその周囲の組織を一緒に結紮する周刺結紮を行う。太い血管の止血では縫合針を血管に刺し入れ、貫通結紮を行う。
【血管縫合法】太い血管からの出血で血管を結紮すると末梢血行が阻害される恐れのある場合は、縫合して止血する。
【焼灼法】傷口を焼灼して止血する方法、従来は電気メス等で使われたが、現在はレーザーメス、超音波メス、マイクロ波、超音波凝固切開装置等の器具が使われる。
【止血薬】結紮や縫合等の処置でも止血しにくいときには、局所止血薬が使われる。トロンピン粉末、オキシセル、フィプリンフォーム、ゼラチンスポンジ等を出血している局所に圧迫しながら塗布する方法である。小さな出血には食塩水を侵したガーゼで圧迫しても効果がある。骨髄からの出血には止血薬をコラーゲンシートに固着させて用いる。
周刺結紮法
血管の端を持った止血鉗子の先端に近い周囲の組織の一部に針糸をかけ、まず結紮する。その後で糸を回し、再び結紮する。
血管縫合法
鉗子で出血部を遮断した後、血管を縫合する。
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