今年に入ってからニュースでよく目にする、耳にするようになった代理出産禁止関連ニュース。

今日の夕刊には日本学術会議の検討委員会は、代理出産を法律で原則禁止するとの報告書案を提言したと報道されていた。

目的としては代理母の身体的・精神的負担と生まれる子供への精神的な影響などの弊害を考慮してのことだとか。


よく議論されているのは、たとえば子宮癌などで子宮摘出を受けた女性が自分の卵子による子供を持つには代理出産しか道がないため(向井亜紀さんとか)、そういった一部例外は認めるべきではないかということ。

でも、子宮癌ならOKだけど特定の病気ではない不妊症の人はNGって、その線引きはなんなんだろう。

子宮摘出した人は出産が不可能だからOKだけど、不妊症だとまだ可能性があるからNGってことかな?

でもそれなら子宮筋腫で子宮摘出の人でもいいの?不妊症で子宮筋腫の人が必要と不要とを問わず子宮摘出したらOKなの?って問題はあるよね。


乳がん患者も、ホルモンレセプター陽性でホルモン治療をする場合数年間は妊娠できないし、妊娠はがんの発育可能性を高めてしまう。と考えると、39歳で5年間のホルモン療法を始める私の妊娠可能性は限りなく低く、その上凍結受精卵があることを考えるとどうしても代理出産って視野に入れて考えてしまう。

この話をすると、「私が産んであげるよ」って口にしてくれた友達は2人もいた。

とってもうれしかったけど、妊娠の大変さと彼女たちの家族の事を考えると現実にはぜったいお願いできないよなって思う。

だから、検討委員会の考慮する代理母の負担ってのはわからないでもない。

金銭を対価に、時として生命の危険を伴いうる出産を他人に依頼することの身勝手さを指摘されることもその通りだろう。


それでも、法律で禁止すること、営利目的に対してのみとはいえ刑事罰を課すことには反対だ。

子供をほしいという気持ち、自分の遺伝子を残したいという気持ちは生物の本能だから、それは法律で縛ってほしくないと思う。


まぁ、日本人は海外での代理出産がほとんどだと思うから、そこまで縛るかどうかの問題になってくるんだと思うけれど。でも、この検討委員会の考え方はどうしても不妊の夫婦の気持ちを、自分では出産できない女性の気持ちを理解していると思えなかったし、弁護士会でも同様の法律を作るべきだとの検討がされているようだ。

日本人の多くはこのニュースを聞いてそりゃそうだろう、禁止すべきだよねって思うのかな、それがなんか寂しい。