今回のお題はアメリカ20ドル金貨(リバティ金貨)。
1848年のゴールドラッシュに端を発して1850年から1907年まで発行、総発行枚数は9650万枚にのぼるモンスター級金貨だ。
この時代、世界を見渡すと、流通貨として大型金貨が発行されていた国はフランスの100フランのみ。ただし、発行枚数は190百万枚。
(日本も、16.67gとハーフサイズながら、20円金貨を1000万枚も発行していたのはとても誇らしい気持ち)
これから、アメリカが覇権国家として道を歩む創成期の大型金貨で、私の大好きなデザイン。
ヨーロッパ系のコインと明らかに違うデザイン。
金貨ならではの光沢があり、白頭鷲から放射状に広がる構図は、当時の米国の自信から放たれる輝きを表しているかのよう…。
全体のバランスをとりながら、そういった細かなオブジェの配置に意外と苦労し描きました。
ところで、この20ドル金貨は流石に日常使いではなく、主に、国際間の取引や富裕層・文化人たちの旅行資金や贈答用に使われていたらしいです。
19世紀後半は、やがて訪れる豪華客船時代の萌芽期ー多くの旅人が金貨を懐に、ヨーロッパの港町を巡っていたのかもしれないですね。
なんとなく、旅情あふれる、賑やかで華やいだ雰囲気を勝手に想像してしまう。
ただ、そんな金貨も1907年にデザインが変更。
きっかけは、セオドア・ルーズベルト大統領による次のコメントだったらしい。
「我々のコインは、世界で最も偉大な共和国の象徴であるべきだ。芸術的に最高のものを作ってほしい。」
これが、1907年から発行されたセントゴーデンス20ドル金貨につながるわけであるが、確かにセントゴーデンスのデザインも格好良くて好きなんだけど。
私からすると、デザインにより緻密さを感じることができるリバティ金貨の方が好きだったりします。
