今日のお題は、アンティークコイン界において屈指の知名度と芸術性を誇る逸品──ドイツ領ニューギニア5マルク銀貨です。
裏面に文字がなく、極楽鳥が一面を覆い尽くすデザインが印象的なアンティークコイン。
先日、2026年1月に開催されるHeritage Auctions(NYINC エターナルコレクション)の下見会で、白家コレクション(Peh Collection)のドイツニューギニア5マルク 1894-A PR67 Cameoを間近に観る機会に恵まれました。
その姿はまるで、極楽鳥がコインの世界に降臨したかのよう。羽根一本一本が精緻に彫られ、ラスターの輝きとトーンの深みが共演する様子は、「持ち帰りたい」欲を理性がギリギリ抑えるレベルでした。
オークションの下見会場とはいえ、希少なコインを揃えたショーケースはさながら小さな博物館のよう。
アメリカ本社、日本支社の方からもご説明いただいたりして、美しいコインに携われる素敵なビジネスだなあとただ単純に憧れました。
さらに、ジョージ3世の” Three Graces”の1817 PR63+NGCにもお目にかかることができました。こんなにステキなコレクションなのに放出してしまうなんて勿体無い!!と思いましたが、また散らばって色んな人の手に渡るからこそ、価値があるのでしょうか。
まるで、ドラゴンボールのようですね。
このコインに描かれているのはニューギニア原産のアカカザリフクチョウ(赤飾風鳥、学名:Paradisaea raggiana)。
生息地はニューギニア島東部の熱帯雨林に生息し、パプアニューギニアの国鳥となっているとのこと。国旗に描かれているのが、この美しい鳥です。
裏面には文字が一切なく、鳥の姿だけで世界観を語る潔さが、逆に強烈な印象です。
今回見たのは、PR67 Cameoという最高鑑定品。Heritageの過去の落札記録から予想すると、ハンマープライスで2000万は超えそうです。
唯一品であることを考えると3000万も超えるかも?
どんな人が落札されるのか。スカウターで銭闘力を測ってみたいですねー。
参考)過去の落札額(ハンマープライス)
①PR64 PCGS
38,000$ (2022年8月25日)
②PR66 NGC
60,000$(2023年8月19日)
③PR64 Cameo PCGS
46,000$(2024年1月29日)
④PR65 NGC
42,000$(2024年8月17日)
⑤PR65 NGC
40,000 $(2025年8月29日)
