これは歯医者泣かせの言葉です。
歳をとれば顔貌も変わるし体型も変わる。それは当り前なことで仕方ないと思っているのに、なぜか、「咬み合わせも変わる」という概念が無いようです。
しかも咬み合わせは気になりだすと止まらない事もあり・・・
以前はここがこう当たっていた。なのに当たらなくなった。
あそこで銀歯をかぶせてからこうなった。あそこでこの歯を削ったからこうなった・・・と・・・。
確かに歯を入れたり、かぶせ直したり、削ったりする歯の治療は咬み合わせが変わる事がありますね。
右の歯を抜いたから今まで右で食べていたけど左で咬むようになった、とか、しみるから、咬むと痛いから・・・などで咬み合わせが変わるのは否めない事です。
じゃあ、治療しない方が良かったの?
そうではないですよね。
私たちが扱う咬み合わせはミリ単位ではありません。ミクロン単位です。だからとても繊細。
悪くしようと思って治療に取り組むドクターなどいないんですよ。みんな何とか患者さんの為になろうと思ってやっているんだってことは忘れないでほしいです。
私はどうしているかというと、銀歯を入れる時にはその周囲の歯との調和を見て入れるようにしていますし、何本もの歯が繋がっているブリッジを入れる時には何カ月か仮付けにさせて頂き、実際に生活する上で咬み合わせに問題が無ければしっかりつけるようにしています。
歯周病で歯が伸び出してしまって反対側の歯とぶつかって痛みがあったりグラグラしたりしてしまう時には歯を削る事もあります。
でも、それ以外の「以前はここの歯よりもこっちが当たっていたから、今ぶつかっているこの歯を削ってください」と言われても、その歯が治療をしていない白いご自分の歯ならば削りません。大がかりに咬み合わせを変える事もしません。自然から与えられたものを人間が作ることは出来ないと私は考えます。
歯の治療による咬み合わせの変化もあるけれど、それ以外に自分側にも咬み合わせが変わる要因が、治療要因以上に沢山ある事を知ってください。
最初に書いたように、顔貌も変われば体型も変わります。
同じように、咬み合わせはその時の生活状況、心理状態、体重、仕事、年齢などにより、変わります

A
まずは写真A。こういうようにおしりの突き出た若い人は割と見ますが、こんな体型のおばあちゃん、いますか?
B
写真Bのように背中が曲がって、出ていたお尻も引っ込み、その過程で背骨の側弯が起きてるかもしれないし、膝でバランスをとるようになっているかもしれないけれど、とにかく姿勢が変わりますよね。
そしたら咬み合わせ、どうなりますか?
ご自分でやってみたら分かりますよ。
まずはAの姿勢。
次にBの姿勢。
当たる場所が違うでしょ?
Bの姿勢のまま顎だけ上げると、Aに近い場所で咬むようになりますよね。
だけど首の後ろ側の屈曲が強く、ものすごく首に負担が掛る事もお分かりでしょうか?
実はこうやって同じ咬み合わせを保とうとして、身体のどこかを犠牲にしている事も多々あり、そのために肩凝りや頭痛を起こしてしまう事もあります。
Bの姿勢になんて簡単になってしまうものなんです。Aの体型の人だって、ディズニーランドで歩き疲れたらBに近くなるし、心に心配事がある時にはBになってしまいますよね。仕事でずっとPC使っていたりしても同じです。
Aなら良いのかというと、それも違って、背骨の湾曲が強すぎますので顎にトラブルが良く起こるタイプです。
咬み合わせの安定のためには、姿勢が安定している事が必要になります。そのためには心も安定していなくてはいけないのですが、人間ですから完璧に安定した心っていうのは難しいですよね
姿勢を安定させるためには・・・
安定した体幹を、自分で作るしかないんです。
いつも書きますが、誰かに診てもらえば、何かに頼れば病気が治る、という考えの人は病気になりやすいです。
残念ながら安定した体幹、安定した身体は自分で作らなければ、どこからも与えられません。
自分の力で頑張ろうという強い気持ちが無ければ、安定した心をもつ事もまた難しいと思います。人に頼りがちなタイプの人は自分で頑張る事が出来ずに、「医者だったら治すのが当り前でしょ!」と、もしかしたらしまいには非難に走ってしまうかもしれません。
コレを読んでくださっている方は、そうではありませんように・・・
でもこれは咬み合わせだけの問題ではなく、身体が安定せず、どこかに負担が掛り、その部分の循環が低下してしまえば、そこから病気は発生するでしょう。血液循環不良が起これば身体を治してくれるはずの物質が運ばれてこないのだから、自然治癒が起こりにくくなるし、内臓が圧迫されていればその臓器の働きが鈍り病気に繋がりやすくなるでしょう。
体幹が安定すると、身体の中心に軸(青線)が通りやすくなります。
軸があると、気持ちも安定しやすくなります。
私は・・・まだまだ落ち込む事がありますが
電車の中で吊革につかまらなくても目を閉じて立っていられます。
ディズニーランドで一日中歩いても不思議と疲れません。
でも、まだ弱いなって思う事も多々あります。だから継続して強化するように努めます
どうやって?
それをYOGAで行ないます。
歯医者だけでは行き詰まるので、歯の為にもYOGAを取り入れようと思ったわけです。
身体は全部が繋がっているのだから。
歯医者って、部分を見る事が多いから、こんな事あまり言わないでしょうけど、最近は咬み合わせの問題から、私と同じように全身とのつながりを重視するドクターも増えてきているように思います。
大事なことは同じですもんね
体幹、大事です。
体幹の為には、肩甲骨も胸郭も骨盤も大事です。
そう
だから 「ホリスティック=全体」 が必要なんですよ
来春からは「HIRO」で一緒にYOGAしましょうね