日本大学歯学部と、日本歯科大学は違いますからねー

場所は日大がお茶の水、日本歯科大学は飯田橋ですぐ近くですが、名前は似てますが、違いますよー。
日大はどちらかというと、私みたいに雑草育ちの人間もいますけど、日本歯科(私たち”業界人”は、日本歯科の事を「にっぱ」と呼びます)は、血統書が付いている方ばかり。どっちが良いとか悪いとか、そんなことはどうでもよくて、受験する時にそんなことは知らなかったけど、後で知った時に、受験校の選択を間違えなくてラッキーだったなーと思いましたねー。私に血統書なんてどこ探しても出てこないから、「にっぱ」受けてたら、今頃歯医者になってなかったんだろうなぁ。
現在の制度がどうなのかは知りませんのでね、あくまでも私が学生だった頃の話です。あしからず。
でもまあ、そんな業界の裏話も面白いでしょ

さて、講習会の話。
講習会を受ける時に、いつも思うのが、「我が、日大の先生の話は素晴らしく面白い」です。
ユーモアがあるんですよ。話の中に笑いがある。だから引き込まれるんですよね。
笑いの取れる話し方が出来るのって、相当上級者ですよねー。
先輩方、素晴らしいです

今回受けた講習会の中で、難しい話は無しにして、以前から「そうだよね」と、思ってはいたけれど、世間一般ではそうは言わないため、大々的には言っていなかった事を、講習会でバッチリ確認出来たのでご報告しますね。
ちなみに講習会はこんな風に大きなスクリーンにパワーポイントで写真等を映し出して行います。歯医者の講習会には、このような講義だけのものと、実習つきのものとがあります。実習のあるものなんかは1回でも、ん万円~十数万円の講習料がかかります
とにかく高い物が多いです。
でも、今回は「無料」
患者さんで、時々、毎食後に歯ブラシをして、フロスをして、歯間ブラシをして・・・という方がいらっしゃるのですが、そういう方のお口の中って、思うほど健康ではないんですよね。
歯肉も腫れっぽいし、歯と歯の間には隙間があったりして。
あるいは汚れは全くなくて、凄く丁寧にきれいにお掃除されているお口の中なのに、常に歯肉に赤みのある場所がある事もありました。
隙間があって物が詰まったりするのが気になるから、フロスや歯間ブラシをするのかもしれませんが、フロスはまだしも、歯間ブラシってどうも以前から賛成できなかったんですよ。
歯間ブラシはブラシの真ん中に針金が通っていますから、その針金を歯肉に刺してしまうこと、ありませんか?
フロスも歯肉付近でゴシゴシ使って、白い糸が真っ赤になったりしませんか?
なんで常に炎症を起こしてまでもフロスや歯間ブラシを使うのだろうか?いつもいつも、治ろうとしている歯肉組織を、次から次へと傷つけて、「汚れをとる」事だけに一生懸命になってしまって、歯肉を物理的にいじめている事に気づいていないのではないだろうか?
と、思っていました。
ですので、直接私が診させて頂いた患者さんには、歯間ブラシというものを勧めたことは数少ないです。よっぽど歯の形が普通と異なる形の銀歯などが入っている時にだけ勧めてきました。
でも、習慣でフロスや歯間ブラシを使っている方は、やらないと気がすまなかったりするんですよね。
でもね、やっぱり、講習会で先生がおっしゃってました。
難しい表現はしませんが、歯の表面と歯肉の粘膜は、弱い力ですが、くっつくんです。
その「くっつく」事は、大事な事なんです。しかし、そこにフロスやら、歯間ブラシやら、強い力の歯ブラシやらをあててしまうと、くっついていたものがいとも簡単にはがれてしまいます。
はがれてしまうと歯肉はだんだんなくなっていってしまう、つまり、歯肉が下がる、という事が起きてしまうんです。あるいは常に歯肉をこすっていじめているから赤みがずっと取れなかったりします。こういうのはナンセンスですね、って。
そうですよね。
歯石があるなら取らなきゃいけないですよ。
歯石がある場合は、歯肉に既に炎症がありますので、とる時には出血しますからね。そういうのは仕方ないです。「出血したじゃない!」って怒ったらだめですよ。今言っているのは、歯石などもなく、健康な状態を維持しようとしている時の話です。
つまり、歯医者の受診が終わり、例えば半年後に定期検診に行くから、じゃあ、その間に自分で頑張ってお手入れしなくちゃって思って、歯ブラシにフロスに歯間ブラシに、ってやっていると、ちょっとやりすぎかな、って言うことです。
歯周病なのに磨かないっていうのはダメですので、やっぱりちゃんと受診してよい状態にもっていくことをお勧めしますけれど、只今メインテナンス中の方は、是非お試しください。
フロスと歯間ブラシの使用はなるべくやめて、歯ブラシを「そ~っと」するようにしてみましょう。
即効性を求めてはいけませんが、自分で自分の歯肉をいじめるのはやめてあげましょう。
変わってくる部分がきっとありますよ。