今年、我が家は桃が豊作だ。どの枝にもたわわに実っている。
とはいえ、その実はとても小さくて、大きいものでも紀州の梅くらいの大きさしかない。
その桃でジャムを作った。
ジャム作りは初めてではないが、かなり長いことやっていなかったので、若干の不安はあった。
でも案外美味しくできた。まずは成功だ。
小バケツ一杯の桃を、4回洗った。
まず、台所洗剤一滴を2リットルほどの水に入れてかき混ぜる。
桃同士が軽く擦れるように、時々すくい上げるように洗う。
ざるに上げて元の水を見ると、真っ茶色に濁っている。うわ、汚ねえ。
もう一度繰り返す。水は、まだ茶色だ。
次に重曹水で洗う。水はまだ濁る。
もう一度、重曹で洗う。なんとか水の汚れも見えなくなった。
ああ、面倒くさい。
種を取り出したら、かなりの量の果肉が付いてきた。
元々少ない果肉を種と一緒に捨ててしまうのはもったいないので、種ごと煮ることにした。
種は煮ている間に自然に離れるだろうから、それだけを捨てればいい。
鍋に桃と目分量の砂糖を入れる。レモン汁を搾り入れる。これは、砂糖が固まらないためだ。
最初から弱火でコトコト煮る。煮ながらマッシャーでつぶす。
優しくかき混ぜながら5分もすると、桃ジャムの出来上がりだ。
1ロット目はそうやって作った。夫に味見してもらったら「美味しい」とは言われたが、やっぱり一言あった。
「シナモンは入れた?」いや、入れてないよ。まったく、味にうるさくて嫌だ。
絶対に無条件に「美味い」とは言わない奴だ。いっつも何か一言ある。
実は私はシナモンが大好きなのだが、シナモンって馬鹿みたいに高いからあまり使いたくないんだよね。
1㎏ 500~600ペソもするんだもん。単純計算で1㎏4~5千円。
でも奴にそう言われたので、2ロット目には少し入れてみた。そりゃあ美味しくなるだろうさ。
ジャムを煮ている隣で、ガラス瓶と蓋をグツグツと煮沸消毒した。
水から瓶と蓋を入れて沸騰させ、10分間沸かし続けた。
出来上がったジャムを熱々の瓶に詰めて蓋をして、逆さ立てる。
スーパーで買ったパンに出来立てのジャムをたっぷり塗って、コーヒーと一緒に夜のおやつ。うん、美味しかった。
家で採れた果物でジャムを作るって、淡く憧れていたから嬉しかった。
桃・・・durazno
ジャム・・・mermelada
マッシャー・・・machacador
シナモン・・・canela