「ドント・ルック・アップ」という映画を観た。

 

ネタバレ注意!!!!!

 

小惑星が地球に衝突するかも?という話は私の嫌いなものなのだが、夫が観ようと言ってきたので付き合いで観た。いやだったら途中で退席すればいいやと思いながら。

 

だが、最後まで観てしまった。結末はとても後味の悪いものだった。その意味では「やっぱり観なきゃよかった」と思ったが、なにしろ役者たちの演技が素晴らし過ぎて惹き込まれた。

 

ディカプリオもブランシェットも、かなり長いこと誰だかわからなかった。スターの俺や私としてではなく、それぞれの役の登場人物になり切っていた。特にケイト。彼女だと分かったときには「アッ!」と声を上げてしまったほどだ。いやあ、びっくりした。

 

ストリープも、一瞬誰だかわからなかった。短い髪の彼女しか知らなかったから。痩せたなあ。全体のシルエットは綺麗だったが、痩せた分だけ顔は皺だらけだった。スーツを着ているときはスマートで恰好よかったが、最後の場面で全裸の後ろ姿を見たときは体全体の皺とたるみと肌の汚さに言葉を失った。よく彼女はあのシーンを上映することをOKしたな。自分の汚い裸が全世界に流れるのに。

 

年をとってからは、むやみに痩せるのは良くないな。もし痩せるなら、全体を引き締めながら痩せないと。

 

一方でブランシェットは綺麗だった。皺もなくて、細くて締まっていた。少なくとも画面ではそう見えた。

 

ハンサムが出てこない中で、唯一の美形は不良青年役の俳優だった。なんていう人だろうと思ったら、ティモシー・シャラメという俳優だった。「ベニスに死す」のタジオに通じる美形、美少年。・・・と思っていたら、彼は「君の名前で僕を呼んで」の主演だったと書いてある。あ、そうか!納得。大大大納得。私の目に狂いはなかった。やっぱ、誰が見てもそう思うよね。福眼、福眼。今度、「君の名前で・・・」も観てみよう。

 

ハリウッドの俳優がなぜ何十億も何百億も稼ぐのか、よくわかった。だって、あの演技力だもん。すごいもん。文句はございません。

 

それにしても何だよ、あの最後は!全員死亡かよ。と思ったら、ひょっこり一人だけ生き残った。でもあんな状況で一人だけ生き残ったら、却って不幸なんじゃないか。一体、何を食べるの?水は?

 

一方、ノアの箱舟に乗ってエデンの園に着いた一行は、画面に映った分には全員が年配者だった。生殖可能年齢の人が一人もいなかった。あれじゃあ先細りだ。それに、これからどうやって生きていくの?何を食べて何を飲んで何を着るの?という疑問は、地球の生き残りに対する物と同じだ。

 

なんか、すごおおおおく後味の悪い結末だった。救いがなかった。でも、色々考えさせられる作品ではあった。観る価値はあった。

 

役者・・・Actor, actriz

演技・・・Actuación

役・・・Papel, rol

その映画には色々考えさせられた・・・La película me hizo pensar.