2022/1/1

 

夜、ジンジンする脚を引きずって帰って来ると、なんと我が家のあたりが燃えているのが遠目に見えた。真っ暗な闇の中に橙色のすっごく明るい炎がガンガンに燃えている。

 

えっ?!冗談じゃないよ、ちょっと待ってよ。

 

どうかウチじゃありませんように、と祈りながら我が家へ近づく。ご近所さんだったらいいのか、というわけでもないが。だが、どの家も燃えていない。全く火の気配さえない。

 

あれっ、さっき道から見えたのは何だったの?私の見間違いか?いや、そんなはずはない。あんなにはっきりと見えたんだから。

 

とにかく慌てて家に入る。室内はなんともないが、焦げ臭い。居間から庭を通り抜けて庭の外を覗き込む(我が家の裏は山の斜面)と、うわぁぁぁぁぁ、真っ赤な(いや真ダイダイな)炎が裏の斜面に上がっている。ただ、我が家の真裏には小さな炎があちこちに散在しているだけだから、さっき見た火事とは違う。

 

視線を横へずらすと、二軒隣の家の真裏にあの大きな火柱が上がっていた。ぎょえぇぇぇぇ。一つ安心材料と言えるのは、燃えている斜面の下の道にパトカーが停まっていたことだ。警察がいるってことは、そこから消防にも連絡がいっているはずだから、私から消防へは通報しなかった。

 

夫は私に「脚立を持って来い!」と叫びながら、庭の水撒き用ホースを水道の蛇口にセットしている。消防のホースとは全く比べ物にならないが、消防車が来るまで何にもしないよりはましだろうと、脚立に上ってチョロチョロの水を炎めがけて掛け始めた。

 

私は内心「水の無駄遣いだ」と腹立たしく思っていたのだが、なんと、あんな非力そうな水で幾つもあった炎の玉が消えたのだ。水の力ってすごいんだな。そして、いざという時役に立った夫よ、ありがとう、そしてごめん。

 

 

裏の斜面の山火事。夫やご近所さんは、「どっかの(いや近所の)馬鹿が上げた花火のせいだ(怒)」と言っていた。さもありなん。なにしろクリスマスから年末から年明けにかけて、我が家の真上でまで大きな花火がドッカンドッカン花開いていたから。綺麗なのは嬉しかったが、こんな住宅街の真ん中であんなデカい花火、絶対に許可なんか取ってねえだろ!危ねえじゃねえか、馬鹿!と思ってはいた。

 

それがとうとうこんな事になってしまって。幸い山火事だけで済み、どの家も燃えはしなかったし誰も避難などする必要はなかったが、カリフォルニアの山火事の恐ろしさがわかったよ。

 

あまりの衝撃に、脚の痛さなどすっかり忘れてしまった元日の夜だった。

 

火事・・・Incendio

炎・・・Llama, flama

消防・・・Cuerpo de bomberos

花火・・・Cohete, pirotecnia