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アステカダンスの練習へ行ったが、体調も気分も踊れる状態ではなかったので太鼓係に専念した。それはそれで気付きがあった。

 

うちのグループは指導者を入れて6人だが、一人だけが30代(treintañero)で残りは全員50代(cincuentón)という中年グループだ。今日はその唯一の若者が来なかったので、おじちゃん・おばちゃんだけの練習となった。

 

自分も踊るときは自分のことで精一杯だが、今日は太鼓を叩くだけだったので落ち着いて皆を観察することができた。

 

特にマルガリート(Margarito)。彼はたしか52歳だが、年より老けて見える。本業が太極拳とヨガの指導者だという割には体が硬い。その彼が苦手なスキップや細かいステップに苦労しながらも真摯に取り組んでいる姿に、胸が熱くなった。いい歳をしたおじちゃんが、秋の暗い寒空の下、ギクシャクしながらも真剣な顔で踊っている姿は神々しかった。若者が軽々と華麗なステップを踏むよりも、何倍も心を動かされた。

 

一日の仕事を終えて、こんな時間でこんな寒さなら、家でゴロゴロしているほうが楽だろうに。わざわざ金を払ってまでやりづらい事をやりに来る、指導者に注意を受けに来る、生意気なガイジン女(私)にアレコレ言われに来る。「好きだから」と言ってしまえばそれまでだが、素直に頭が下がる。

 

人間の美しい一面に気づくことができた、いい夜だった。