水族館のイルカは、太地町のイルカ追い込み猟によって捕らえられます。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を
カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
イルカは聴覚がすぐれているため、この音から逃れようとします。
猟師たちはこの性質を利用し、どんどん入り江に追いやっていきます。
そして 入り江まで追い込まれ、捕まってしまうのです。
9月7日は、約30頭のイルカの群れが追い込まれました。
この群れは2頭の赤ちゃんを守りながら2時間以上逃げていたそうです。
あまりの恐怖のためパニックになり、網に引っかかりながら もがく赤ちゃんイルカの姿が映っています。
イルカは我々と同じ肺呼吸なので、ネットに引っかかって水面に上がれなくなると、やがて溺死します。
今回は、猟師たちがイルカを網から解放しました。
もちろん、これは優しさなどではありません。
誠実に猟を行っているというアピール。
溺死してしまって批判されることを恐れている。
このイルカが生体販売向きのイルカの場合、死んでしまえば大きな利益を逃してしまうことになる。
などといった理由が考えられるでしょう。
以前は、溺死した赤ちゃんイルカの姿が撮影されています。
優しさがあるなら、追い込み猟などやりません。
この日、約30頭のイルカたちは、網で囲われ、一晩放置されました。
そして次の日、9月8日。
イルカの選別作業が行われました。
追い込まれたイルカは、水族館向きか、そうでないかが選別されます。
水族館に不向きのイルカ達は、食用としてその場で殺されます。
殺すときは、イルカのせきずいを尖った棒で刺し、ねじり込みます。
そして、長きにわたって苦しんだ後、絶命します。
そして、解体場まで運ばれていきます。
水族館向きか、そうでないかの選別作業を行うのは、イルカトレーナーです。
しかし、今回は、トレーナーがこなかったようです。
つまり、イルカ達は殺されるということです。
グレーのシートの下に追い込まれるイルカ達。
イルカの殺害は、このグレーのシートの下で行います。
撮影されて、批判されるのを恐れているためです。
そして、イルカ達が次々と殺され、海は血で染まりました。
合計9頭のイルカ達が、猟師たちによって殺害されました。
約20頭は、殺されずそのまま放置されています。
しかしこの中で、赤ちゃんイルカが、死んで浮いているのが見つかりました。
はっきりとした原因は分かりませんが、今回の追い込みのせいで この赤ちゃんの未来が閉ざされたことは確かです。
死んでいるイルカが、さらにもう1頭いたようです。
結局、計11頭のイルカが、今回の追い込みで死んでしまったということになります。
残りのイルカは、海にリリースされたようです。
リリースされる際も、追い込まれる時と同じように、バンガーをガンガンと叩かれ、恐怖の中、追い出されることになります。
注意しなければならないのは、海へリリースしたことは優しさでもなんでもないということです。
追い込み猟では、1年間で捕獲してもよいイルカの数というのが、水産庁によってきめられており、それを捕獲枠といいます。
ですから、捕獲枠をオーバーしないように調整した、
あるいは、需要のないイルカの肉を、これ以上、抱え込んでも在庫になるだけと踏んだ
イルカの生体販売が上手くいっておらず、在庫を抱えた状態にあり、買取会社が今回は見送った、
などといった理由が考えられます。
間違っても、イルカが可哀そうだから、とかそんな理由ではありません。
そんな心があるなら、最初からこんな商売やっていません。
殺されたイルカたちは、誰かの親であったり、群れの中で役割があったイルカのはずです。
それが人間によって滅茶苦茶にされたのです。
リリースされたイルカ達は、この先 群れとしてやっていけるのか。
もう誰にも分からないのです。
これが、イルカの家族たちを崩壊させる、太地町のイルカ追い込み猟です。
以下は、2014年に追い込み猟で捕らえられた、太地くじらの博物館のアルビノのイルカ「エンジェル」の話です。
****eugene_voiceforanimals_japan****
2年前デモ参加の為太地町へ「くじら博物館」へ
立ち寄った折、白(アルビノ)のイルカを目にした。
小さな水槽を何度もグルグル泳いでいた。
2014 年 1 月17日 230頭を超えるハンドウイルカの大きな群れが太地町の入り江に追い込まれた。
その時に捕獲された子だった。
名前はangel、エンジェルは直ぐに親から引き離された。
トレーナーが3日間かけて選別、47頭生体捕獲
46頭が屠殺 残りの群れの子達は弱った身体で
容赦なく海に投棄された。
エンジェルのお母さんは子どもが捕らわれた後に
ショックのあまり水面に出て呼吸をするのを止め
自殺を図ったと言われている。
人間がタンクのイルカ達をクリアに鑑賞出来るよう(藻類を育てさせないよう、掃除もあまりしなくていいらしい)
どんどん塩素を強くしていった、から。
クジラ博物館行った人の一般的なtweet↓
「クジラ博物館にはアルビノのバンドウイルカや白いハナゴンドウなどすぐそばで観ることができ、
もう癒される~( ´∀`)」
前季の猟も沢山の親子イルカが引き離され捕獲・捕殺された
人間の癒しの裏側で。
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ある日突然、人間に追い込まれたエンジェル。
白くて珍しいイルカのエンジェルは、水族館が稼げると判断し、買い取られていきました。
母親は死亡。
エンジェルを捕られたショックで、自殺した可能性があるとのことです。
そして エンジェルは、塩素漬けのプールに8年閉じ込められ続け、ついには目が見えなくなったそうです。
そんな事も知らず、水族館愛好家たちは、呑気にカワイイ、癒やされると言い、水族館の思惑通り金を支払い続けているのです。
追い込み猟を終わらせるには、水族館に行かないこと。
それのみです。
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和歌山県太地町で毎年おこなわれるイルカ追い込み猟の2021年度のシーズンが2月28日に終了しました。
少なくとも563頭のイルカが屠殺、捕獲された事を確認しました。
内訳としては
今シーズンの生体捕獲数は65頭。
そして、今シーズンの殺害数は498頭です。
この数字だけを見ると、猟師やイルカ猟に関わる者達が「食肉」の為にイルカ達を殺害しているように見えます。
しかしこれは、あくまでも「仕事」ですから、これを、金額に換算してみると分かりやすいです。
世界中の水族館へイルカショーのイルカを販売する場合、猟師(漁業組合)は直接、販売を行っていません。
猟師(いさな組合)は「太地町開発公社」、「ドルフィンベエイス」、「ドルフィンリゾート」「大阪海洋研究所」などの生体販売会社に販売し、これらの生体販売会社を通して世界中にイルカを販売しています。
ですから、猟師(いさな組合)は、まず、これらの生体販売会社にイルカを販売します。
販売金額は概ね1頭、100万円~150万円です。
(※上記のそれぞれの会社が水族館やイルカショーの現場にイルカを販売する場合は、概ね1頭、450万円~650万円です)。
ちなみに、イルカを殺して切り刻み、肉として販売する場合の金額は、
その種類や大きさ(とれる肉の量(なぜならば食肉として販売される場合、100グラムいくらという計算になる))などによっても多少異なりますが
概ね、1頭、1万5千円~5万円です。
今シーズンの生体捕獲65頭を、1頭150万円とすると「9千7百50万円」です。
これに比べて、今シーズンの殺害数498頭を、1頭5万円とすると「2千4百90万円」です。
合計「1億2千2百40万円」。
太地でイルカ猟を行うために和歌山県知事の許可を持っている猟師は現在12人です。
猟師の契約は、収入を均等に分ける事になっているので上記の金額を12人で割ります。
(※イルカ猟は12人だけが許可を持っていますが12人で行っているのではなく、それぞれの猟師には、1人は補助役の猟師が付いているので合計24人で猟を行っています。
しかしこれらの人達は「いさな組合」から雇われており、6ヶ月は固定給だと言われています。)
今シーズンの売り上げ、1億2千2百40万円を12人の猟師で均等に割ります。
1人当たり1千20万円。これを6ヶ月で割ると、1か月170万円です。
こんなに儲かるので1年の内、6ヶ月だけイルカ猟を行い、残りの6ヶ月は旅行に行ったり、趣味の生活を送っている猟師もいるのです。
当然ですよね1千20万円を12カ月で割ったとしても、85万円も収入がありますからね。
でも、このイルカ猟の全収入の約80%が「イルカの生体販売」です。
ですから、もしも今シーズン、生体販売用のイルカの収入が無かったと考えた場合、今シーズンの「食肉としてイルカ」の収入は「2千4百90万円」です。 これを12人の猟師で均等に割ると、1人あたり「2百7万5千円」になり、更にこれを6ヶ月で割ると「34万5833円」です。もしも、この金額を12か月で割ると、月収は「17万2916円」という事になります。
ですから、生体販売が無くなれば、6ヶ月だけ猟を行い、その収入で1年間生活するとなると、それなりに質素な生活をする事になります。
しかも、上記で示した通り、12人の猟師には補助役の猟師が付いていて、いさな組合は「2千4百90万円」 の中から補助役の猟師達に固定給を支払わなければなりません。
しかも、船の維持費、修理費、燃料代も支払わなければなりません。
月収「34万5833円」の中から、これらすべてを支払わなければならなくなります。
追い込み猟に燃料費がいくらくらいかかるのか、元イルカ追い込み猟師に聞きました。
その日の気象状況や、イルカを探す時間、イルカを追い込む時間、船自体の燃費などによっても異なりますが今回は、1日50リットル~60リットルとしました。
漁船は、ほぼ全てがディーゼルエンジンです。ですから燃料は軽油です。
軽油は、現在1リットルが104円~110円程度ですので「104円」として計算します。
1日60リットルで1か月で1800リットル。(※イルカ猟は毎年9月1日~2月末日まで悪天候でない限り毎日行われます)。
1リットル104円で1か月1800リットルなので「18万7200円」燃料費が必要という事になります。
1か月「34万5833円」の収入から「18万7200円」の燃料費を引くと「15万8633円」です。
先にも記した通り、この中から、補助役の猟師の人件費などを支払うと考えてください。漁船保険に入っている人も多いですから保険料の支払いもあります。
どうですか?
イルカの生体販売が無くなったら、イルカ猟が継続できると思いますか?
イルカ肉、鯨肉の需要は、年々減少しています。
しかも、厚生労働省も水銀濃度が高いイルカ肉食には注意が必要である旨を公式に掲載しており、その摂取量についてもグラム数で出しており、特に感受性が高い「子どもや妊婦」に関しては、摂取量について明確な基準を設けています。
食の安全性に関する関心は高まる一方ですから、イルカ肉や鯨肉の需要は、今後さらに減少します。
ですから、食肉の為にイルカ猟を継続して行く事は、今後さらに困難になるのです。
つまり、世界中でイルカショーが無くなれば、世界中の水族館がイルカの飼育をやめれば、生体販売は不可能になり、イルカ猟の継続自体も非常に困難になると言えるのです。
この現実が「LIAが長年訴え続けている 『水族館にチケットを買って入らないで!』『お金を支払ってイルカショーを見に行かないで!』と言っている理由」なのです。
LIAでは、太地町で活動を始めた2017年より、一貫して
「太地町のイルカ猟(鯨類追込み網漁業)は「太地町立くじらの博物館が作られた1969年にイルカの生体捕獲を目的として始められたものであり、2022年現在から遡って53年前に始められた水族館へイルカを生体販売する為の新しいビジネスであり、 伝統でもないし食文化とも関係ない 」
と訴え続けています。
特に、日本政府、和歌山県、太地町、一部の政治家が主張している「古式捕鯨」とは無関係であり、約400年前に始まったとされている「古式捕鯨」は、現在、太地町には受け継がれておりません。
400年前に行われていた古式捕鯨は、太地町の沖合海域を回遊するくじらに対して、ふんどしを締めた男たちが、木の手漕ぎボートに乗合い、百人以上が協力して追いかけ、くじらの体に銛を打ち込みながら網で行く手を阻み、捕殺していたものです。
そのような捕鯨の方法は、現在の太地町には全く受け継がれておらず、大砲を付けた捕鯨船「第七勝丸」が1艘あるのみです。
この第七勝丸も、その多くの期間は北西太平洋などに捕鯨に出ており、捕殺したくじらを太地漁港に水揚げする事も僅かであり、その多くは北海道や東北に水揚げしているようです。
つまり、日本政府、和歌山県、太地町、一部の政治家が主張している「伝統猟」などは、もはや存在せず、地域の食の中に、鯨肉、イルカ肉が僅かにあるだけなのです。これが現実なのです。
LIAは、太地町の鯨類追込み網猟を長年現地で監視し続けている日本で唯一の団体です。
ですから、頻繁に「イルカ猟」についてさまざまなお問い合わせを頂きます。
多くの方から頂く質問の中で最も多いのが「どうしたらイルカ猟をやめさせられますか?」というものです。
答えは簡単です。
太地町のイルカ追い込み猟は「イルカの生体販売」の為に行われています。ですから、誰もイルカを購入しなくなれば、野生のイルカを捕まえる事は終わります。
イルカ猟は、猟師達の仕事ですから、売れないのに獲るとなると、それはもう趣味であり、こんな高額な趣味を集団で行う事は困難なはずです。
しかも趣味で自宅にプールを作り、イルカを飼育できるような富豪は世界中で極僅かでしょうから、水族館やイルカショーを行っている施設に、生きたイルカが売られなくなった時点で、野生のイルカの生け捕り(太地で行われている鯨類追込み網猟)は継続が困難になるのです。
もうお分かりですね?
つまり、イルカ猟を行わせているのは「水族館にチケットを買って入場する人」です。「イルカショーのチケットを買って見に行く人」なのです。
そういう人がいる限り、野生のイルカは生け捕りにされ、生体販売に不向きなイルカは殺害され、食肉になるのです。
ですから「イルカ猟に反対な人」は 「水族館にチケットを買って入場しないで!」「イルカショーのチケットを買って見に行かないで!」と主張してください。
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「追い込み猟」は、イルカを生きたまま捕らえるための、生体販売が目的の猟です。
食用に捕らえることが目的なら、別に、「突きん棒猟」といって、泳いでいるイルカを上から突き刺して殺す猟があります。
以下は、イルカではありませんが、サメを上から突き刺している動画です。
食文化だと言うのであれば、突きん棒猟の方が、最初から殺して食用に捕獲する猟であるため、筋が通っています。
それに海の上で行う猟ですから、誰にも見られず批判されることもありません。
しかし、太地町の猟師たちは、あえて追い込み猟を行っています。
それは、生きたまま捕らえたいから。
すなわち、生体販売をしたいからです。
なぜなら、生体販売をすれば儲かるからです。
つまり、追い込み猟は伝統でも文化でもなく、金儲けのために行っているんですね。
金儲けのために行っているのは、水族館も、トレーナーも同じです。
だからこそ、クレームが入らない限り、妊娠したイルカをショーに出演させるし、
胸に傷があるイルカに乗っかってショーを行うのです。
水族館が儲からなくなれば、水族館がなくなります。
水族館がなくなれば、追い込み猟は終わります。
水族館に行き、イルカショーを見るあなた方が、この虐待産業を支えているのです。
一部の人間の金儲けのために、イルカは追い込まれ、殺されます。
仮に選ばれても、餌でコントロールされながら、芸を調教されます。
そして、狭い水族館で、人間好みの芸をやらされる一生を送ります。
犬猫の生体販売反対とか言いながら、水族館に行って、イルカの生体販売の支援をしていませんか?
悪徳ブリーダーを非難しておきながら、
水族館に行って、悪徳水族館、悪徳トレーナー、悪徳猟師たちの支援をしていませんか?
消費者がこの問題に気づかず水族館に行く限り、イルカ達の地獄は永遠に続きます。
イルカを閉じ込めたり、殺しているのは、水族館に行くあなたです。
水族館に行くのをやめてください。
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