本日、8月20日は、タイクの命日です。
1994年8月20日。
ハワイのホノルルで、ある1頭の象が亡くなりました。
象の名は、タイク。
死ぬ日までサーカスに利用されたメスの象です。
日本にもきたことがあるそうです。
ゾウは、ブルフックという器具で虐待を受け、調教されます。
この尖った部分を急所に突き刺すことにより、激しい痛みを与え、心を折り、言うことを聞かせているのです。
タイクは、ひたすら調教という名の暴力によって虐待され、苦しみ続けてきました。
その年数は、なんと15年・・・。
終わりのない虐待により、タイクは精神的に追い詰められたのです。
そして、1994年8月20日。
虐待の日々に耐えられなくなったタイクは、とあるサーカス公演の日についに暴走します。
公演中、いつものパフォーマンス中に、突然タイクは暴れだしました。
そして、目の前の調教師を踏み殺したのです。
暴れだすタイクを恐れ、観客たちは叫び声をあげ、逃げまどいました。
その後も、タイクは何人もの団員たちをなぎ倒し、
自由を求め、脱走を試みます。
しかし、脱走した先に自由が待っているはずがありませんでした。
容赦なく銃で撃たれました。
サーカス団の人間の生活のために、数多くの人間の一時の娯楽のために15年も貢献してきたタイクは
86発もの銃弾を浴びせられ
無慈悲に殺されました。
野生の象として生きていたタイクは
人間によって拉致され、家族と引き離され
調教によって虐待され、苦しめられ、閉じ込められ、
サーカス団の金儲けのために、サーカスの客の嗜好を満たすために、15年利用され、
その貢献は一切報われることなく、
最後は銃弾80発以上を浴び、痛み、苦しみ、誰の救いもなく、孤独のまま生涯を終えました。
象は賢いです。
これまで虐待され続けてきたタイクは、抵抗すれば、タダでは済まないことは分かっていたはず。
しかし、タイクは自由を求めて、この日、勇気を振り絞りました。
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「彼らは芸をしたくてしているのじゃない」
「彼らは調教師からの暴力を恐れていただけなのだ」
その言葉に出逢った時、突如として明白になった自らの途方もない愚かさに、私の胸はシンとして黒ずんでゆくようでした。
野生動物が進んで芸をするなどという馬鹿げたことを何故この数十年の人生の中で一度くらい、ハタと立ち止まって考えることをしなかったのか。
当たり前という洗脳の外側に身を置くことを、一度くらい、自ら選ぼうとしなかったのか。
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お恥ずかしながら私も、これまでの生涯において、無知、無頓着という許し難い罪の中で、積極的に黙認、加担している人間の一人でした。
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今感じるのは、深い深い自責の念だけではありません。
これほど簡単に、人は洗脳に飲み込まれてしまうこと。
生まれ育った当たり前という抗えない環境の中で、家庭や教育現場、社会からの絶え間ない洗脳によって、いとも容易く欺誑ることが可能だということ。
その事実に対しての、震えるような恐怖です。
野生から誘拐されてきた仔象は、まず手初めに、徹底的に精神を破壊されると言います。
経営陣にとって、彼らを生涯服従させるには、これはとても重要なステップだと考えられます。
劣悪な環境下では、足にチェーンを巻き、逃亡できない環境を作り、徹底的に、殴り、蹴り、罵ります。
命令に背くようなことがあれば、ブルフックで皮膚を貫通するほど刺したり、スタンガンや調教棒を使用したり、体毛を焼いたりして脅すことも。
穏やかで繊細な彼らが、このような壮絶な暴力の果てにどれほど残酷な形で精神を破壊されていくか、想像することはそれ程困難ではないでしょう。
服従は、やがて必然になります。
サーカス象たちが華やかに見えるのは、馬鹿らしいほど煌びやかな衣装のせいです。
サーカス象たちが楽しそうに見えるのは、そうしなければ、舞台裏での悍ましい暴力が待っているから。
観客が拍手喝采をしたら、象たちは嬉しそうに喜んでいましたか?
よく見てください。
彼らの瞳の奥を。
よく聞いてください。
象たちの心の声を。
だれか、助けて。
私をここから出して。
これ以上傷つけないで。
私を狂わせないで。
私を殺さないで。
お願いだから、もう、私を解放して。
命を誘拐し、閉じ込め、暴力を与え、死ぬまで芸をさせて、金儲けをする。
事実はただ、それだけのこと。
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これまで、知らなかった。
いや、私は人間で、充分な大きさの脳みそもあるし、ある程度年齢も重ねた大人でした。
だから、よくよく考えたらその理不尽に気づかないはずもなく、真実を知る機会だってこれまでにあったはず。
つまり、意識だけがなかったのです。
知ろうとする意識が。
真実を知った今、このビジネスに反対です。
もしもあなたがいま、同じ思いの中で踠き苦しんでいるなら、一緒に声を上げましょう。
2021年現在も、タイクと同じ悲しみと怒りと絶望の中で今日も服従することを強いられている命があります。
彼らはただ、痛みに耐えながら待っているのです。
私たちの声が、多くの声が、結集する時を。
死の檻から、生きて出られる奇跡を。
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タイクの死をきっかけに、世界各地で、野生動物のサーカスが禁止されました。
タイクの勇敢な行動は無駄ではありませんでした。
しかし、動物愛護後進国の日本は、いまだに何の制限もありません。
日本人は、サーカスの動物利用の残酷さに無知な人が非常に多いからです。
あなたがタイクの立場だったらどうですか?
何年もの間、奴隷にされることに耐えられますか?
動物利用を行っているサーカスに行くのはやめてください。
サーカスの動物利用が虐待であることを、周りの人に知らせましょう。
木下大サーカスが大阪で公演を行っています。
木下大サーカスは動物を利用しています。
動物愛護をアピールしていますが、動物を利用するサーカスは、どこも裏側は同じです。
絶対に行かないようにしてください。