サーカスの象は、このようなショーを行うために、虐待によって調教されています。
嫌がる象を無理やり縛り付け
ブルフックという器具で苦痛を与えることにより、人間の命令を聞かせています。
サーカスの動物達は、野生動物です。
野生の動物達は、恐怖の中、強引に捕らえられます。
野生の象だったトプシーは、人間によって捕らえられ、サーカス、そして人間に振り回される一生を送った象でした。
1875年頃、トプシーは東南アジアで生まれ、すぐに人間に捕らえられました。
そして フォアポウ・サーカスのオーナーは、トプシーをアメリカに密輸しました。
成長すると、身長3m、重さ4から6トンとなりました。
彼は、「悪い象」の烙印を押された象でした。
1902年。
ニューヨーク市ブルックリン区でのサーカスをさせられていたトプシー。
ある酔っ払いが象が繋がれているテントに迷い込み、象をからかい、ウィスキーの瓶を持ってくるように叫びました。
そしてトプシーの顔に砂をかけ、敏感である鼻に、葉巻きたばこの火を押しつけるなどの虐待をしました。
怒ったトプシーは、鼻で酔っぱらいを地面に叩きつけ、頭、膝、足で押しつぶして、殺しました。
このトプシーの殺人は、サーカスの宣伝となったようです。
1902年6月。
ニューヨーク州キングストンで、汽車からトプシーを降ろす際、見物人のドデロという人物が棒を使用してトプシーの耳の後ろをくすぐりました。
これに怒ったトプシーは鼻でドデロの胴を掴み、調教師が止めるまで上下に大きく揺さぶりました。
この事態をきっかけに、トプシーは コニーアイランドのボイトンという人物に売却され、動物ショーの見世物に追加されました。
このとき、フォアポウ・サーカスの調教師であったアルトという人物も、園に雇用されました。
が、近隣の競合などから夏季の集客が悪く、年末、ボイトンは、園をトンプソンと ダンディという人物に売却しました。
2人はより大きな遊園地に再開発して、遊園地をルナパークと名づけました。
1902年10月。
遊具を動かす芸の最中、アルトは遊具を引かせようと トプシーをピッチフォークで刺しました。
これを警官に注意され、アルトはトプシーの体に設置された道具を外し、道路で走れる状態にしたため、逮捕されました。
このできごとはアルトの飲酒問題により引き起こされました。
1902年12月。
また 酔っ払ったアルトは、トプシーに乗って、コニーアイランドの街中に繰り出し、地元の警察署に向かいました。
トプシーは、警察署のドアを通り、大きくいななきながら、あちこちを鼻で打ち、警察官たちは監房に逃げ込みました。
この事件をきっかけに、アルトは、ルナパークを解雇されました。
トンプソンとダンディは、トプシーの調教師がいなくなり、ショーに利用することもできず、引き取り手も見つかりませんでした。
トプシーは、赤字を生み出す邪魔者になったのです。
1902年12月3日。
ルナパークの広報は
「数日中にトプシーを電気により安楽死させる」と発表しました。
このトプシーの処刑の宣伝効果は絶大でした。
1903年1月1日。
トンプソンとダンディは、1月3日または4日に、トプシーを入場料25セントで公開処刑すると発表しました。
トンプソンとダンディの計画を知ったアメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の会長は
「不必要な残虐な殺害方法」として絞首を禁じ、有料での一般公開をやめるよう伝えました。
トンプソンとダンディは代替案についてヘインズと話し合った。
以前にも毒殺などによる安楽死を行なっていましたが、
2年前にニューヨーク州バッファローでジャンボ2世という象を感電死させようとして失敗していました。
ASPCAへの譲渡を含み、何度も交渉を繰り返し、太縄で繋いだ蒸気ウインチで絞殺することにしました。
さらに毒および電気も使用することにしました。
1903年1月4日。
トプシーの処刑が行われることが決まりました。
1,500名の見物人、100名の報道写真家、そして経過を見守るためのASCPAの職員が集まりました。
トプシーは檻から未完成のルナパークに率いられました。
トプシーは橋を渡るのを拒否しました。
殺されることを理解したのかもしれません。
ニンジンやリンゴなどをぶら下げられても、頑なに橋を渡ることをしませんでした。
トンプソンとダンディは、トプシーに橋を渡らせるために、処刑を見たくないとするアルトを連れてこようとしました。
しかし、アルトは1,000ドルでないと引き受けないと言ったため、連れてくることはできませんでした。
トンプソンとダンディは、トプシーを橋を渡らせることを諦め、その場で処刑することにしました。
電気技術者は電気が全身に回るよう、銅製サンダルをトプシーに履かせてAC線を右前足および左後ろ足と繋ぎました。
トプシーは、青酸カリ460グラムが混ぜられたニンジンを与えられました。
午後2時45分。
電気技術者はスイッチを押し、トプシーの体に6,600ボルトの電圧が10秒間印加され、
トプシーは殺されました。
鳴くこともなく、うめくこともなく、亡くなったとのことです。
トプシーが、電気処刑されたときの映像が残っています。
人間により捕らえられ、金儲けに利用され、虐待され、
いらなくなれば売却され、最後には電気処刑になったトプシー。
トプシーの一生は、なんだったのでしょうか。
今の時代に、公開で処刑をするのは無理でしょう。
しかし、ゾウたちが人間により捕らえられ、サーカスという名のビジネスのために
やりたくもないショーを強制的にやらされている、という事実は、この頃から変わっていません。
変わったのは、隠蔽するようになり、表面化しにくくなったということくらいでしょうか。
タイクも
ケニーも
メアリも
金儲けをしたい、珍しいものを見たいといった、人間の欲にまみれた、サーカスの被害者たちです。
我々は彼らの犠牲を忘れず、サーカスの残酷さを訴え続ける責任があると思います。
木下サーカスは、象、シマウマ、ライオンなどの動物を利用しています。
絶対に行かないでください。