2800万円集めて、たった8匹 | チロ・ツグミ・メリー・マフユと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

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愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。
主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

和歌山市のクラウドファンディングのニュースを覚えておられますか?

 

 

和歌山市が、「猫たちの不妊去勢手術の施設を作る」という名目でクラウドファンディングを行い、2800万の寄付金を集めたにも関わらず、猫の施設とは関係のないことにお金が使われていたことが明らかになったニュースです。

 

 

以下は、問題となった市議会でのやり取りの1つ。

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【9月24日】 

 

(芝本市議)

 「報償金、自動車保険料、火災保険料。

こんな今言ったような話がクラウドファンディングで使われましたって、

(寄付)した人からすれば、そんなことに使っていただいたんですか、ありがとうございます、と本当に思うのですか?」 

 

(和歌山市 健康局長) 

「動物の関係で自動車を使うこともありますので、動物愛護の関連には使わせていただいていると考えております。」

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その後、さらなる和歌山市のずさんな実態が明らかになりました。

 

 

 

4日後、この件で市長は次のように説明。

 

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【9月28日】 

 

(和歌山市 尾花正啓市長) 

「当局の答弁に大きな誤りがありました。寄付金については全額使用しているのではなく、本年度末において約1370万円残る見込みとなっております。」

 

市の説明によりますと、集まった寄付金2800万円について、担当者は“年度内に使い切らないといけない”と勘違いし、設備費用のほかは保険代などで使い切ったと“虚偽の説明”をしたというのです。

 

実際は寄付金の「目的外使用」はないと言い、まだ1400万円ほど残っていると説明を一転しました。寄付金を管理するため条例で基金を設立し、今後は手術に関する経費にのみ使うことが確認されました。

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虚偽の説明をしたこと、虚偽の説明なのにさも問題がないように押し通そうとしたこと、芝本市議がツッコまなかったらどうなっていたのか、などモヤモヤが残ることだらけですが、寄付金が問題なく使われていた、ということで一件落着に思われました。

 

ところが・・・

 

 

調査の結果、市が2019年度に手術した件数は、わずか猫8匹だけだったそうです。

 

 

さらに、手術にかかった費用にも問題があったようです。

 

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2019年度の手術8件でかかった麻酔代は18万円となっています。

 

(アル動物病院 阪井浩巳院長) 

「麻酔代、薬剤費、縫う糸、その後の鎮痛処置であるとか。

最低でも1匹あたり平均5000円くらい。

麻酔薬18万円で8件ということは、1匹2万円超えますね。

その経費ということですよね。それはありえない金額になります。」

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手術件数が少ない理由と、麻酔代が高い理由は、以下のように述べています。

 

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きちんと整備したというのなら、手術件数はなぜこんなにも少ないのでしょうか?

 

(廣岡貴之センター長)

 「獣医師といっても今までは(手術を)一切やっていませんでしたので、学生時代にやっていたことをみんなで一生懸命思い出していた。

それで実際に時間がかかっていたのもある。

学生時代はメスを握ったこともあるし、実習もしますけど、卒業してからはその間30年以上一切それがなかったんです。」

 

「麻酔をかけるにしても当然5分で済む麻酔と30分、1時間かかる麻酔では使用量が異なってきますよね。

1頭当たりにすごく時間がかかっていたのが事実としてあるので、そういったところでお金がかかってしまっているのかなと。」

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いやいや、なんでそんな素人の獣医師たちが、避妊去勢手術にあたってるの・・・。

野良猫だからって、舐めているとしか思えません。

 

 

 

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地方自治に詳しい専門家は寄付金を集めることに対し、和歌山市の認識が甘すぎると指摘します。

 

 (同志社大学大学院・総合政策科学研究科 新川達郎教授) 

「使途目的を限定した、特定した寄付を受けるということになりますと、それに対応した自治体側の体制作りも重要になってきている。

設備がいるから、そのお金だけを集めてくればなんとかなるという、極めて無計画な事業と思えてならない。」 

 

善意を踏みにじる行政の怠慢。

和歌山市の尾花市長は関係者の処分も検討しているということです。

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ただでさえ寄付文化がなく、ふるさと納税のような 見返りがないと寄付をしない習慣がつきつつある日本。

行政が寄付を集め、このようなずさんなことを行っているようでは、ますます寄付に委縮する日本人が増えるでしょうね。

 

 

 

 

動物愛護は経済活動とは真逆の行為であり、寄付がないと絶対にやっていけません。

 

和歌山市の今回の罪は非常に重いです。

 

 

 

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