先日、ペット業者の「数値規制」について書きました。
適正なケージの大きさ、繁殖回数、従業員数といった数値基準がないために、悪徳業者のやりたい放題の日本。
およそ2年前に福井県の繁殖業者が、犬猫を過密飼育し、刑事告発されたのをご存じでしょうか?
その状況はあまりにもひどく、400匹の犬猫に対し、従業員が2人しかいなかったそうです。
当たり前ですが手が回るわけがなく、餌は1日に1回だけ。
病気やケガをしてもほったらかし。
糞尿の処理が追い付かず、アンモニア臭が充満。
誰がどう見ても、ネグレクトの虐待でしょう。
ところが、この事件は嫌疑不十分で「不起訴」となりました。
つまり、これを行っていた人物は、何のお咎めもなく、のうのうと今も繁殖業を続けているのでしょう。
これが虐待でなければ、どれが虐待ですか?
いかに、日本の愛護レベルが低いかがよく分かりますね。
結局こうなるのは、ケージの大きさや、飼育頭数などの明確な数値基準がなく、不適性飼育というものが曖昧だからです。
そして、ようやく今回、数値規制がなされようとしているのです。
非常に大事な時です。
もうこれでまた、しょぼい数値が定められようものなら、またこのようなことが5年間繰り返されます。
残念ながら、環境省の出した数値はまだまだ甘いです。
愛護活動をされている杉本彩さんのチャンネル「Evaチャンネル」でも語られています。
この動画は従業員数の甘さについて。
環境省案の数値はこれです。
これは前回書いた通りです。
よく見たら、親と同居している子犬・子猫は頭数に含めないって書いてますね。
いやいや含めろよ(^_^;)
で、なぜこの数値になったのかというのは、環境省なりの根拠があるらしいです。
表のように
掃除の時間、餌与える時間、運動の時間を出して、1匹の世話にどれくらいの時間がかかるかを算出したということです。
なので、例えば、犬の販売だと、そうじ10分+えさ3分+運動など11分=24分 で世話ができるという判断をしているようです。
したがって、1日8時間働くとすると、8時間=480分なので
480分÷24分=20匹まで、面倒見れるよね、っていう計算です。
これは根拠なのか・・・?
そもそも、掃除なり、餌なりの平均時間はどうやって出したんでしょう。
そこが語られないと根拠ではないですよね。
皆さんは、飼っている犬猫の世話は、20~30分やって終わりですか?
杉本さんらは、ネグレクトなしで、こんなに面倒を見るのは不可能であり、こんな数値では現状は改善されないとおっしゃっています。
Evaに、全国展開している某ペットショップチェーン店(おそらく、〇〇〇&〇〇〇〇ってところ?)から内部告発があったそうです。
売り物にされる犬猫たちが、バックヤード つまり 客からは見えない犬猫の待機場所で、ひどい扱いを受けていたようです。
このような過密飼育はもちろん
立つことすらできない狭い場所に閉じ込められていたようです。
出られるのは、1日1回の糞尿を取るときだけとのこと。
地獄ですよね。
この子は、体調が悪くてぐったりしていますが、ほったらかしです。
検索かけても情報が全くないので、おそらく裁判になっていないと思われます。
ということは今も、この状況が続けられているのではないでしょうか。
さてこれで十分、劣悪なペットショップであることがお分かりいただけたと思いますが、しかしこのバックヤードの犬猫の頭数が60頭。
そして、スタッフが2~3名だったとのことです。
すると・・・?
60÷3=20頭 です。
そう、環境省案と同じです。
つまり、数値規制ができても、頭数に関しては改善されないということになります。
しかも、ペットショップって何も世話だけをしているわけではありません。
接客や、商品の陳列など、他にも様々な業務があるわけです。
というか、ほとんどが接客でしょう。
なので、8時間労働のうち、世話にさける時間はせいぜい半分の240分。
そうなると、240÷24=10匹。
環境省の粗数値でさえ、1人あたり10匹という数値が出ます。
これでようやく、ネグレクトの起こらないギリギリの現実的な数字じゃないですかね。
なので、環境省の数値案はまだまだ甘いというのが現状です。
しかもまだ決まっていないので、ひっくり返される可能性があります。
どうなるやらです。
そして、今 数値規制に反対しているブリーダー達は悪徳ブリーダーということがよく分かりますね。