「2024年度全国6年生薬学部在籍の富山県出身者は345人で人口1,000人あたりの数は全国45と低い水準」ということです。そこで県は、「富山大学薬学部地域枠学生からの意見を参考に、事業を検討する」ということです。まず、このような「数値」になった背景は、以前にも指摘しましたが私立大学に薬学部が大量に増設され、大都市の高校生が進学、必然的に地方出身者の比率が低下した、という進学情勢を「県が把握しているか」ということです。「大都市の高校生の進学情勢に疎ければ、見えてこない?」ということでしょう。いうまでもなく、「富山県は<薬売り>で有名な、そして<製薬会社が多数立地>する土地です」。ということは、高校生の保護者に「薬業関係の人、親戚に薬業関係の人が多い」土地柄です。ということは、何を意味するのか。「薬業関係の保護者から意見を聞くことが先決」でしょう。富山県に関わらず、地方において、薬学部進学者が減少しています。それは、今や「コンビニより多いと言われている<ドラッグストア>の存在」です。地方の道路を走っていると、「ドラッグストア」が並びます。実は、かつて、「薬局の立地制限」があったのですが、「撤廃」されました。そして、「ドラッグストアは、薬だけでなく、生鮮食料品なども販売、もはや<スーパー>」です。大手資本のドラッグストアが資本力による仕入れ力で価格競争力があり、地方の安い土地に平屋の軽量鉄骨による出店で出店費用を抑え、店内配置など、徹底したマニュアル化で費用を抑え、会員カードを発行して「値引き」、地方スーパーにとっても脅威です。ある意味、地方では、「コンビニよりも便利」です。品揃えに関しては、地方の個人薬局は太刀打ちできません。地方を回る芸人さんは、「地元ネタ」を盛り込むのが「定番ウケ」ですが、地元スーパーや地元に多いドラッグストアを事前に調べ、「〇〇のカードを持っている」とやると、「大ウケ」です。このような状況を、地方の人々は身をもって感じているわけですが、「大都市の高校生は知らず」(本来ならば、「地理」で教えるべきなのですが)、「薬学部だったらどこでもよい」と、地方も含めて大都市の高校生が進学、人口に対する比率に反映されるわけです。以前も指摘しましたが、最低で6年間も通って、「薬剤師の国家試験の合格率は比較的低く」、「合格率を上げるために、受験者数を絞る場合がある」とされ、「合格率は、受験者数から算出するのではなく、<入学者数>から算出すべきだ」とされます。当然、「進路指導が的確な、進路情報をしっかり把握している」高校では、「的確な指導」が行われ、「薬学部進学者は激減」、H県のHD大学のように、薬学部の募集を停止したところもあります。ようやく、「卒業生からの切実な情報で、後輩に伝えることを迫られた」高校もあり、ここをしっかりやらないと、進路指導がしっかりしていない高校の「受験生募集」に影響するでしょう。
前回、広島県の私立大学14校中、12校が定員割れを報告しました。当然、地元広島県では「大きな話題」となっており、大学、そして地元高校も、勿論、しっかりと気付いたところでの話ですが、「対応・対策に大わらわ」です(勿論、これでも動かない大学・高校もある)。定員割れした大学が、かつて来ていた高校に問い合わせたところ、最新の進路情報を収集し、進路指導に当たっている高校ということが前提ですが、理系については、「国公立大学に進学した」ということです。すなわち、「地方の国公立大学、とりわけ、工学部の易化」が背景にあります。このことは、以前に指摘しています。隣県のY大が典型例です。また、文系は、「関西の二番手私大に進学した」ということです。関西の一番手大学が大幅に学部を増やし、定員を増やしました。当然、関西の二番手校が易しくなり、「手が届く」と、志願者を増やしました。影響を受けたのが、関西の三番手校で、「志願者増」も一部でありました。その結果、関西の4番手校が大きな影響を受けています。すなわち、「入学者減、定員割れ」です。かつて、高校の進路指導を「軽視」した「ツケ」が影響しています。しっかりした「パイプ」を構築すべきだったわけです。定員充足した2校も「関西の一番手校に進学した」ということになれば、どうなるでしょうか。要は、「大都市の進路指導がしっかりしている高校」では当然お話が、ようやく「地方の進路指導がしっかりしている高校」に浸透したということです。当然、高校の「受験生募集に影響」します。このように、まずは、「実態を正確に把握」「高等学校の進路指導を熟知した対応・対策」が必要です。それができない「大学」は・・・。特に、大都市の高校で進路指導の経験がある人の「意見」が重要です。最後に、何十年も前になるのですが、「H大に合格したが入学しなかった」ので、問い合わせが高校にありました。「なぜ」ということですが、「関西の一番手校」に進学しました。関西で就職する場合、もはや「H大」卒業生は「僅か」になっています。関東の私大の「M大」の卒業生が自主的に高校廻りをしています。「関西でのM大の卒業生の数は?」と聞くと、「〇〇〇人です」さすが、同窓会が卒業生をしっかりと把握しているわけですが、残念ながら、「関西の一番手校」と比べれば、「桁が違う数値」です。これをさらに「業界別」に見れば、その差は「鮮明」となります。やはり、その地での、歴史(伝統)と卒業生の活躍が「カギ」です。そこから考えると、「偏差値に惑わされない選択」が必要ということでもあるのでしょう。