前期授業第9週です。天気は晴れ。今週も「こだま」乗車。先週よりは乗客多く、席はかなり埋まる。京都からはインバウンド客も、米原乗り換えで金沢か。沿線の水田はほとんどが田植え終了。校内レストランでは、今秋からセットメニューが。焼き飯・唐揚げ・サラダ・デザートで650円。帰りのバスはようやく落ち着き(分散が徹底?)、余裕で乗車できるように。帰りの新幹線も、新大阪行き続行便乗車、比較的すいており、2列窓側着席。

 都道府県別出生率が発表されました。勿論、過去最低です。最高は沖縄県の1.60、理由とされるのは「伝統的側面」ですが、それだけで説明できるものではありません。沖縄県は「地方」と言っても、若者が地元にとどまる率が高く、「本土」へ一旦出ても、戻る率が高いことが大きな理由です。他の「地方」では、地元にとどまる率が低く、戻る率も低い。この理由は「明確」なのですが、なかなか指摘されません。そして、上位の都道府県半分は、「西日本」です。やはり、「すごしやすい?」。反対に最低は東京都の0.99、東京以外に、下位半分には、愛知県・兵庫県・福岡県・奈良県・大阪府・埼玉県・千葉県・神奈川県・京都府の大都市圏が入ります。東京を代表として、大都市は「物価が高く、生活に金がかかる」。よく、「結婚した夫婦に、子供が少ない理由を問う」と、「第一位が、費用が掛かること」で、「子育て支援」がその対策とされます。しかし、大都市圏に住めば、「当然」の話です。「大都市圏を選ぶ」ことによって、「どういう事態に陥るか」という話でもあります。実は「他の理由」に、「ほしいけれど・・・」というのもあります。すなわち、「晩婚化」が「子供の数が少なくなる理由」なのです。「結婚が遅くなれば、どういう事態に陥るか」とう話でもあります。「晩婚化」の流れは変えれないので、「少子化」を止めるためには、「婚姻数の増加」が必要です。実は、「婚姻率も過去最低」なのです。その理由は、従来からよく言われているように、「地方での嫁不足」すなわち「若い女性が大都市に行き、戻ってこない」ことです。そして、「ひらめかなければいけない」のは、大都市において、若い世代の男女比の相違、すなわち「女性が圧倒的に多い」という事実で、大都市での「女性の結婚難」が大都市での「少子化」を招いています。大阪市など、自治体によっては、「人口ピラミッド」を公表しており、「若い世代の男女数の差」明確に示されています。実は、「婚活サービス業界」では「常識」です。しかし、「それを言うと、女性の婚活サービス登録数が減少する」ので、表立っては言いません。考えてみれば、「地方の嫁不足」は、「大都市の婿不足」となるのは「必然」です。さらに「追い打ちをかけるのが、正規・非正規の問題」です。大都市では、母数として「婿不足」に加えて、「正規男性」と「非正規女性」の数が、さらに「アンバランス」となり、このことが婚姻率を低下させています。したがって、「正規就職対策」が「少子化対策」なのです。実は、「高校卒業後の進路」によって、「正規就職・非正規就職」の確率が異なります。高等学校において、「この進路を選んだら、<非正規>の確率が高い」という指導が必要です。その代表例が、「資格取得」で、特に「医療系」です。「病院経営」は非常に大変で、「医師」も含めて、午前中の診療時間のみなど、「非正規雇用」が多いのです。薬学も資格習得できるかの関門があり、資格習得しても、「門前ドラッグストア」などへの就職が中心、管理栄養士も資格取得できるかの関門があり、すでに、薬学や栄養の募集停止も出てきています。航空業界も経営が大変で、「期限付き雇用」すなわち「非正規」が多いのです。期限付き雇用では、「金融・保険業界」もその代表で、企業発表の採用人数(正規採用が基本)と大学発表合計の採用人数(期限付きの非正規を含む)が大きく異なることとなります。以上から、「資格習得を目指す、航空・金融・保険業界に就職する」ことを考えると、「非正規の可能性ですが、高まること」となります。言ってみれば、「進学してからでは<遅い>」わけです。よく、「わかってます。だから資格取得するのです」と言いますが、「それが、<非正規>につながる」ことが、「わかっていない」のです。こういうと、「何を言っているの」と言われますが、「思考力」が問われます。出生率が低い都道府県は、反対に「東日本」、特に、特に東京に次ぐのが北海道・宮城・秋田と地方では東北地方が並びます。東北地方は、「人口減少率が高く」、「死亡率が高い」。もっとも、「地域振興」が必要ですが、地元国公立大学に「地域振興を担う地域学部・地域学科はなく」、残念ながら「地方国公立大学の使命である地域振興」にほとんど寄与していないわけで、これは「東日本大震災」でも明らかになりました。地域振興が進まない東北地方が、「顕著」に若者が去り、婚姻率が低く、出生率が低いわけです。是非とも、「少子化対策に、地理学の知識を、幅広い都道府県別統計分析と、地域振興異対策を」ということでしょう。「データサイエンス」系学部・学科の増設が顕著ですが、果たして、「データサイエンス」は「少子化要因」など、「本当」の「データ分析」ができるか、実は「試されています」。昔言いました、「そろばんをはじく」と、それは「計算する」というだけの意味ではなく、「分析」することも含めていました。「そろばんは道具」です。「道具だけではだめ」ということです。「データサイエンス」も、「道具の使い方」を教えるだけでは、「役立つ」?、「サイエンス」ではなく、分析が「サエナイス?」、答えが「ナイエンス?」と揶揄されるかもしれません。かつて、地理学の学会発表で、「計量地理学」を駆使、「相関係数を詳細に出した」研究発表がありました。それに対しての質問では、「相関係数が高いのはわかりました、そしたら、そのメカニズムは?」という質問に対して、「メカニズムはわかりません」という「答え」が、象徴的でした。やはり、法律・政治・経済・文化・自然といった、幅広い、しかも深い学びが必要です。