日本の南北区分で、よく用いられるのが、太平洋側と日本海側の区分です。勿論、中央高地や瀬戸内海地域を加えた、気候区分もありますが、雨量の季節変化、積雪地域と非積雪地域、寒冷地域と非寒冷地域による区分です。この地域区分で、景観的に注目されるのが、「屋根材料」です。積雪地域では、「トタン屋根」が多く、その屋根色から、「目立ち」ます。雪国で「トタン屋根」が多いのは、「瓦屋根は重く、さらに雪の重量が加わる」と、「家が傷む」ということ、「雪下ろし」の必要性から、「トタン屋根の方がよい」ということがあります。また、信号機も、「雪国」を判断する景観です。よく、「雪国以外」から来た観光客に、観光バスで、バスガイドさんがよく聞くのが、「信号機が縦方向」の理由です。さらに、道路両側のポールについても聞かれることがあります。いずれも、「積雪対策」です。ちなみに、「鉄道の信号機は、縦方向が原則」です。信号は、光の加減によって、「光っているのはわかっても、色の判断が難しくなる」こともあり、「横方向」よりも「縦方向」の方が、一瞬の判断に、有利ということがあり、鉄道のみならず、道路の信号も、世界では「圧倒的に」「縦方向」です。日本で、道路の信号が縦方向は、北海道から、東北・北陸の日本海側の県ですが、その中で、実は、石川県のみが「横方向」ということが、つい先日の某テレビ番組で紹介されていました。能登半島地震の後でしたが、その関連性については触れていませんでした。極めて重要と思うのですが、残念ですが。そして、実は、屋根材料も、石川県は「瓦屋根」が多いのです。これは、能登半島地震の被災地の映像で確認できます。そして、「つやがある」ということもお気づきでしょう。これは、「能登瓦」で、重量は「通常の瓦の1.5倍」ということもあるようです。特に、従来の建物で新たな瓦に葺き替えた場合もあったようです。このように、石川県の状況についても、直接、示されなくても、気づきたいところです。ちなみに、今、「おすすめ」とされているのが「ガルバリウム鋼板」の屋根で、「軽い・耐震性・さびにくい・耐久性」等で優れているといわれます。

 戦中から戦後しばらくにかけて、日本海側で地震発生が続いたことがありました。すなわち、鳥取地震、200㎞先で福井地震、400km先で新潟地震、200㎞先で日本海中部地震、200㎞先で北海道南西沖地震です。これらは、日本海側の積雪地域で、これらの地震後、「耐震性を考えると瓦屋根を避ける」こととなりました。しかし、福井県と新潟県の距離は400㎞、ここだけが200㎞ではなく(ひとつ飛ばした?)過去に地震が発生しなかったことも影響した・・・? 福井から200㎞が能登半島、能登半島から200㎞が新潟です。位置関係、距離関係も考えてみたいところです。

 今回の地震で、「半島の特性」が指摘され、「半島地域が過疎化が著しい」ということが指摘されます。実は、よく指摘されるのが「離島」との対比ですが、「離島」の方が「陸続きでない」ために、「より」「条件不利地域」とされるのですが、「半島地域」の方が、「過疎化」が著しく、「廃村」が多いのです。その要因は、「離島」は、「離島振興法」を最大限活用して、「離島振興」を行っているのですが、「半島」は、実は、「半島振興法」があるのですが、ほとんど知られていません。残念ながら、山村も含めて、「研究が振興につながっているか」という問題があるようです。「研究が貢献につながる」ということが、今回の場合も含めて、考えられるべきでしょう。「あなたが現地で調査・研究していることが、過去、地域振興や地元貢献につながりましたか・・・?」