小学校中学年の生徒さんの出す音が好きです。身体も指も小さいけれど、他の生徒さんにはない優しい美しさがあります。
ドラマティックな曲をカッコよく弾くという所までは至っていませんが、3ページほどの小曲なら他のお母様が納得する様な演奏をしてみせたりもするんです。
でも今回コンクールで弾く本当に小さな曲に苦戦しています。今までの様に何となく弾いても上手く行くということが出来ない曲なんです。
感性が豊かであれば、あまり深く考えなくても感じたままに弾いた音だったり曲想だったりが素敵なこともあります。でもそれだけではそのうち壁にぶつかります。
1ヶ月ほどかけても演奏に変化が見えません。右手ばかりに意識が行ってバスの音は消えるし、拍子感がなくなってもそのままだし、大きなフレーズが歌えません。
演奏は色んな要素が絡まって上手く融合して、初めて素敵なものになるんです。そのことがわからないわけではないはずなのですが、面倒くさいのが先に立って“このままでも良いよね？”的な演奏に聴こえます。
コンクール前の今は娘と2人でレッスンに当たっていますが、娘からは小さなため息が漏れて、私からは“このままでは間に合わないなあ…”という言葉が漏れました。
気付いて欲しいなあと思います。アドバイスされたことをまずは色々と実行してみて、そこから自分で答えをみつけて欲しいと思います。それができればこれからが変わるんです。
私もしつこいので絶対に諦めません。娘も然りです。同じことを繰り返し繰り返し何度でも伝えます。根比べかなあと苦笑いすることもありますが、素敵な音が素敵な演奏へと変化する日を待ちたいと思います。
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