一歩ずつ近づいて ~ Prologue ~一歩ずつ近づいて ~ Prologue 1 ~ 「秘めた想い」はあっ はあっ はあっ・・・ 息を切らせてスタンドの階段を駆け上がる。眼下に広がるフィールド スタンド下のストレートコース。スタートラインに立つその人から目が離せない。よかった。まにあった。「位置について」 「用意」 一瞬の静寂の後、ピストルが鳴る。わずか十数秒。肩を落として去っていく後姿をただ見つめていた。何も起こさず、何も起こらず ただ6年間の想いを抱きしめたままで。