昨日、昔の最初の生徒がヨーロッパから一時帰国して久しぶりに演奏を聴いた。その演奏の特徴のひとつとも言えるのは、縦にも横にも立体感があると思った。日本人は身体が平らだが、演奏も同様に平らで立体感がないと感じる。やはり、昨日聴かせてもらった演奏は、ポリフォニックに聴こえ、立体感に溢れていた。横の流れも、単純ではなく、深いブレスやテンポ・ルバート、フレーズの始まりから終わりの表現が絶妙かつ、非常に自然な流れを維持した中で様々な表現がされていた。あんな日本人の演奏はまず聴くことは出来ない。その辺のヨーロッパ人でも、あの領域には至らない。そういう演奏美学の演奏。今更ながら、1音の響きに対する執着、その組み合わせ、そして、そのイメージが先ず存在し、それを実現している。全ては必然に存在していて、余りにも自然な音楽になっていた。一夜明けても、何だか耳から離れない。そういう凄いレベルの日本人ピアニストは往々にして、日本での知名度がなぜか低い。いるところにはいるものだと改めて思った。