作品と対峙する、演奏する時に、理屈の部分、アナリーゼなどをしっかりするタイプと全くしないタイプといると思う。結果的に良い演奏になれば、どちらもありだと思う。ある生徒が言うには、自分は理屈が分かっていないからと負い目に感じている様子だったが、そうであってもハーモニー感もリズム感もあるし、作品をよく感じて弾いているので、アルゲリッチだって似たようなタイプらしいよと言ってあげた。ある生徒は、元々理屈のフィルターを通して演奏していて、どうにも岩のように硬い演奏だったが、そのフィルターは今でも変わらないのだろうけど、演奏する時の頭の状態が理想的になってきたので、そのフィルターを通しても、生き生きとした演奏に変貌を遂げてきた。逆に理屈抜きで感覚だけで弾いていて、その自分の感覚に頼り過ぎてしまい、その感覚を自分自身でぶち壊すことをしないと、なんだか説得力に欠けていて、いつまで経っても同じところにいるタイプもいるわけで、どちらのタイプがいいとは言い切れないものだと思う。