弾いている時の感覚の一つに、弾いていない感覚が大切。弾いている感覚があるうちは、まだまだ弾きづらいし、響きも少ない。手のひらがヤツデの葉だとイメージする。ホワッと力を抜いて柔らかく広げる。手のひらで鍵盤を覆うような感覚。その感覚を忘れてはならない。これは究極の脱力とも言える。そのホワッとした感覚で手を広げたまま、その手のひらの中で音を鳴らす。つまり、例えるならば、音符が手のひらの中にある感覚。音符が手のひらから指に出てきてしまってはならない。そうすると指で弾き出してしまい、手のひらも音も固まる。