自分は自分なのだが、本当の自分は、自分の心や頭の中にある、何か核のような存在。それが自分であって、例えば、自分の身体や鏡にうつる自分の顔が自分だとは思わない。確かに自分には違いないのだが、本当の自分は目には見えないと思う。その目に見えない本当の自分で音楽をするべきであり、手や腕や頭で弾くイメージを捨てて、自分の中に存在する、自分の核、それは魂と言えるかもしれないし、宇宙といえるかもしれない。それが本当の自分だと思う。その本当の自分、目には見えない自分が、演奏するのであって、手や指や頭が出しゃばってはならないと思うようになった。