ロシアピアニズムの奏法と言っても、奥は深いのは皆さんご承知だ。
実に様々な要素がある。
私は、ここまで来るのに30年かかった。
生徒たちを見ていても、ざっと10年はかかっている。
ロシアピアニズムという言葉が、巷で認知されるようになった。ネット上でも、あちこちで動画など見られるようになった。つまり、人気が出てきて注目されるようになった。しかし、何事もそうだが、ネット上で動画を観たからできるはずもなく、それはやはり、レッスンを受けることは必然だ。毎週毎週、欠かさず受けて、何時間も何時間も時間を費やすのは当然であり、それでもなかなか手に入らない。それほど、奏法を変えるというのは容易いことではない。私の本は数百ページしかなく、1日あれば読めてしまうほどではある。がしかし、実際に、あの本に全てを書いたかと言えば、ほんの導入に過ぎない。数百ページで何が言える。そんな簡単なことなら、誰でも、そこらじゅうにロシアピアニズムの奏法のピアニストがゴロゴロいるはず。が、実際にはいない。ネット上に山のように自称ロシアピアニズムは山ほどいるが、私の生徒たちも含め、まだまだ途中の段階だと感じるし、中には、これの何処がロシアピアニズムなのか?頭をかしげてしまう。話は元に戻るが、私の本は数百ページ。でもじっさいに、私がここまで辿り着くには、私自身、数百ページ読んでわかったのではなく、例えるならば一億ページの本を読んだという感覚だ。どこを目指すかにもよるが、自分がロシアピアニズムで人様に教え、演奏してお金をいただくには、数百ページどころか、一億ページの本を読まねばならないと思う。私の生徒たちで、この一億ページを読んで知っていると自信を持って言えるのは、たったの5人程度に過ぎない。1000人ほどの生徒たちと出会ってきたにも関わらず、ほとんどは挫折、もしくは、まだ、途中段階であり、一億ページ読んでわかっている生徒で思いつくのは、数人でしかない。本当に本当に厳しく言ってしまえば、まず、川村文雄。彼は一億ページ読んだと言える。つまり、私の思うロシアピアニズムを既に継承しているのは、川村文雄だけなのだ。そして、現在、私のアシスタントをしてくれている数人の生徒たち、がその半分のページというイメージ。それ以外にページ数の差こそあれ、大野ピアノメソッドの講師たちは、今でも現役で私のレッスンを受けているので、それなりに継承している。たったそれだけだ。それ以外に私の下を既に離れて久しい生徒たちは、私とはまた違う独自の路線で頑張っている。それはそれで良いとは思うし、是非是非頑張って欲しいと思う。ただ私とは既に違う路線である。彼らは彼らの本を読んでいると言った感じだ。私とはもう違うし、また、違っていいし、それはそれで良いことだ。にしても、その存在も2.3人。だから、たったそれだけだ。本当に本当に、奥が深く、たったの数人にしか継承されていないのだ。一億ページの本を読んだ人、読んでいる最中の人、それは数えるほどしかいない。