ベートーヴェンを知ることは、クラシック音楽を俯瞰する意味で大変重要だ。今回、何人かの生徒たちにベートーヴェンのシンフォニーのリスト編を弾かせている。一般的にあまり弾かれないし、ましてや、発表会のプログラムに載ることはないだろう。私の門下の発表会のプログラムを見て、ただ単純に編曲など弾かせてと、悪い意味で思う方もいらっしゃるはずである。だが、ベートーヴェンのシンフォニーの世界を、例えリストの編曲でも知ることは重要だと考える。ピアノソナタを学ぶだけでは、ベートーヴェンを知ることにはならないからだ。シンフォニーに世界を、聴くだけではなく、例えリストが編曲したものであっても、それを弾くことにより、シンフォニーの世界でベートーヴェンの新しい世界を知るはずだ。欲を言えば、個人的には弦楽四重奏曲の世界も、また別の世界があり、それも重要と考える。残念ながら、編曲された楽譜があるのかは知らないが、自分でピアノ用に編曲してでも、弦楽四重奏曲の世界も知るべきと考える。これもやはり、ベートーヴェンの違う世界を知ることになる。ピアノソナタだけ弾いて、ベートーヴェンを知ったと思ったら、それは違うと私は思う。そして、ベートーヴェンを知らなくては、その後に続く作曲家たちの思いを知ることはできないと私は考える。ベートーヴェンの世界を知ってこそ、クラシック音楽の世界を俯瞰することに繋がると考えている。だから、敢えて教育的配慮でベートーヴェンのシンフォニーを勉強させている。